2013-01-01から1年間の記事一覧

水遊び

夕方の鴨川西岸は、たくさんの人々が集っていた。ようやく日が落ちかけて、少しだけ涼しくなった風がやわらかに頬をなでる。芝生には外国人のピクニック家族、目のやり場に困る若いカップル、犬を連れた老人、つつましく体の一部を合わせて語り合う男女、浴…

passion

バルコニーの下にはマッチ棒の先のような人の頭がうごめいていた。東の彼方からやってきたスピリチュアルな建造物たちは、夏のけだるい陽光のなかをゆるやかに進行してきた。はしゃぐ私は千年の歳月に埋もれる芥。 パッション、という言葉をあの人は口にした…

水になる

連休三日目の午後、収穫したばかりの野菜を持ってゆきちゃんが、冷えたラムネを持ってみっちゃんが、それぞれ二人ずつ子どもを連れてうちにやってきた。ラムネを飲みながら仮面ライダーのテレビを見る子どもたちを横目に、三人であれこれと話す。オンナとし…

少しずつ

いい加減、ブログのトップ画像にしなもんの死に顔をのせておくのも良くないと思うで、新しいエントリーを書こうと思う。 しなもんが死んで2週間が経過した。最初の一週間はブログの反響もあって、たくさんの人が訪問してくれたり、メールをくれたり、献花や…

Way it is I am.

しなもんがいなくたって食欲もあるし、現にいまはワインを飲んでいて、それはきりりと冷えたフランスの白で、ついつい2杯目に突入している。 アイデンティティは自分ひとりで考えて作り上げるものではなくて、他者によって作り上げられた他者であるところの…

ドイツ、路面電車、白ウインナー

BSで路面電車の走る街を旅するドキュメンタリーを見るのが息子と私のお気に入り。 先日はドイツが舞台だった。 現地の人の家庭にお邪魔してご飯をご馳走になるシーンが好きで、その日は学者夫婦が伝統的な白ウインナーを茹でてもてなしていた。 それを見た息…

汗をかきかき

昨日は、東京から大切な客人があった。 何を着ていこうかと考えて、深緑の絹の着物に朱色の同じく絹の帯にした。 京都に住んで十余年、死ぬまでに日本人らしいことを何かひとつでも身につけたいと思って着物を着始めたのは昨年秋のこと。同時に茶道も始めて…

カランコロン

素足に白木の下駄で歩く心地よさよ。 自分の生身が自然とダイレクトに繋がっている実感。 ただの印象でも、たとえでもない、木の地肌が足の裏と密着し、地面を一歩ずつ進むたびに大地の感触が柔らかな木目を通して伝わってくる。 そんな下駄の快適さを味わい…

境界

まだ私にのびしろ的なものがあるのだとしたら、今はそれをのばすチャンスであり試練であるように思う。そんなタイミングであることを感じる出来事が続いている。 もっと境界を作らないといけない。自分を形づくる境界、人と分ける境界、仕事とプライベートの…

ライブと犬と下駄と私

金曜夜、友人で尊敬するミュージシャンのこじまいづみちゃんのライブへ。 彼女の人生の果実から絞り出した温かくて切なくて哀しくて甘いジュースをいっぱい味わって、何度も涙を流した。 私はまだまだ自分を偽って生きている。そして明日から劇的に変わるこ…

はてなブログの更新をLINEで通知できるようになったらしい

さっそく試さなきゃ! …と思ったら、まだ一度も使ったことなかったんだった!LINE。 LINE使ってるか否かで世代差がある気がする。それいうなら新興アプリ全般に言えることかもしれない。 私の世代になると、Facebooはおろか「スマホ?難しいんでしょ」とかい…

この春最も買って良かったもの、空気清浄機。

最近の買い物で大満足しているもの。それは、ずばり空気清浄機です。夫は杉の時期から初夏まで、私はヒノキの時期から夏まで花粉症とアレルギーに悩まされる体質ですが、春先に巨大な空気清浄機を導入してずいぶんとラクになりました。 正直言って空気清浄機…

写真を撮る余裕もないくらい充実したゴールデンウィーク狭間の平日火曜日

人生は私そのものである。この一日は私が選択して積み重ねた行動のミルフィーユみたいなものである。とりわけ個人の自由が約束され法に反する以外のことは大抵許されている現在(の私)においては、ゆえにそのミルフィーユはただひたすら私の選択と行動によ…

黄金週間目前にあらためて日記を書いて後世に言葉を残す決意をした私の箇条書き的近況を息子に捧げる日記

なんてこったー。もう4月も終わり間近で黄金週間が目前です。しかも今日はお給料日です。 ブログが全然書けていません。書く事がないのではなく、むしろコンテンツは満載なのに、なぜか気分がブログに向かない。書き始めるとエンジンがかかって、書きすぎて…

ならぬはひとの

常に酸欠であっぷあっぷと水面に顔を出す金魚のような日々だった。今もさして変わらないけれど、少しラクになってきた気がする。 自分のなかで「こうありたい」「こうあるべき」という理想を持ちすぎると、それが自分を苦しめることになる。日々の暮らしなど…

年度はじまり

改札横の柵越しに息子を受けとった父は、地下鉄御堂筋線淀屋橋駅の雑踏に消えていった。華麗にパスをさばくラグビー選手のようだと思いながら、若干のあっけなさを感じつつ、改札近くにあるジューススタンドでマンゴーオレンジジュースSを買って、出町柳行き…

豆まき

夜、jkondoがくれたホワイトデーのチョコを皆でホジホジと食べていた。イースターエッグを模した形のチョコは、殻を割ると中に沢山の粒チョコが入っていた。チョコで出来た殻を割る行為も愉しいし、中からまたチョコが出てくるのも愉しい。砕いたチョコを囲…

再会

Norikoさんはシリコンバレーで出逢った数少ない現地在住の友人だ。Foothill collegeというコミュニティカレッジの英語グラマークラスで知り合った。ニコニコ笑顔で常に明るく、誰とも気さくに話す気の良い姉御、という感じで、すぐに意気投合した。夫が先に…

年度末

今日は年度末。大学の学術センターで仕事をするようになって初めて迎える年度末。想像以上に年度末は節目なようだ。つまり大晦日みたいなもの。週明けの4月1日が、元旦のようなもの。学生にとっては新学期の始まりの日がそれにあたるかもしれない。 今日は同…

弥生三月

願わくば、死ぬまでに自分の中でこしらえた負の感情のかたまりを、すべて消し去ってから人生を終えたい。関わる人たちとの日々で育て上げるものは、温かく優しく、天国へと携えていきたいものであってほしい。思うようにならない毎日と、散漫な欲に満ちた暮…

東風吹かば

踏み出すことも 断ち切ることも なく ただ 今を重ねている 逃げることも 耐えることも なく ただ 今を受けとめ 見送っている 我が身を締めつける圧力は 内からの収縮に過ぎない 私の膜は 私が包み 維持している