実家の近所に団地を借りたら故郷を再定義できたお話

突然ですが、春から京都の賃貸マンションとは別にもう一軒、家を借りました。大阪府堺市にある実家から徒歩10分、築50年近い団地です。

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団地の窓からの風景

実家のあるニュータウンの団地をセカンドハウスとして賃貸契約

4月の終わりに賃貸契約をして約1ヶ月、壁紙の貼り替えや家具の搬入などセットアップがほぼ完了し、セカンドハウスとして使い始めました。家賃は57㎡で5万円とちょっと。光熱費やネット代を入れて6万円/月がトータルの運用コストです。

セカンドハウスを実家の近所に借りた理由は、

  • コロナ禍で孤立し老化が進む親のサポートをするため
  • リモートワーク中心で今の家の滞在時間が増えたので別荘的な場所が欲しかったため
  • インテリアが好きなので好みの空間を実現したかったため

の3つです。これらの理由から思い切って部屋を借りたのですが、思いがけない副産物がありました。

それは、「自分にとっての故郷を再定義できた」というものすごく大きな効果です。

故郷を再定義するまでの道のり

両親は私が生まれ育った堺市に夫婦で住んでいます。85歳と77歳で、まだまだ日常生活は普通にできる元気な高齢者です。

しかし、コロナ禍で社会的な接触が減って孤立しがちな母親が精神的に参ってしまい、心療内科のお世話になるなど、心配なことが増えてきました。

これまでは、電話で励ましたり、LINEでやりとりすれば何とかなっていました。しかし孤立する母がどんどん弱っていくのを目の当たりにし、心配は絶えません。気付けば、毎週のように往復3時間かけて京都から実家へ帰り、親と過ごす時間が増えてきました。

しかし実家は私にとっては100%ルンルンと帰って穏やかに過ごせる空間ではありません。この感覚は、分かる人には分かるでしょう。

負の引力が強い場所、それは実家。

実家。大好きな人もいれば、戻るとなぜか憂鬱になる人もいるでしょう。かくいう私も、実家を訪ねると懐かしい反面、親と過ごす時間が重かったり、ふとした弾みに自分の若い頃を思い出したりして、苦い思いを抱いてきました。

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緑に包まれた実家のあるニュータウン

うちの実家は公団の高層住宅で、サラリーマンの父と専業主婦の母、4つ年上の姉との、世間一般的に見ればごく普通の家庭でした。

しかし、気に入らないことがあると家族に対して理不尽に怒る短気な父親と、その父親に気をつかってビクビクする弱気な母と私たち姉妹が織りなす不穏な空気が常に家庭に漂っていました。

今から思えば、高度経済成長期に猛烈に働き一家を養わねばならなかった父の日々のストレスたるや想像を絶するものだったと思います。また、社会経験もないまま専業主婦となり、二人の子どもを育てながらニュータウンのコミュニティで生きる母も大変だっったことでしょう。

中高生時代の不安定な時期だったことも相まって、ティーン時代は「早く大人になって実家を出たい」と願い続けていました。もちろん家族での楽しい思い出も山ほどありますが、私にとって故郷は去るべき場所であり、戻りたくない場所だったのです。

しかし長い年月が経過し、私も様々な経験をし、両親との関係も徐々に変化するなか、前述のような理由で実家の近くにセカンドハウスを借りたのでした。

「与えられた場所」から「自らの意思で選んだ新たな拠点」へ

元来、引っ越し好きな私ですので、地価の安いニュータウンで古い団地を借りたことで、自分の趣味であるインテリアに没頭できたことでウキウキの日々が始まりました。

けれどウキウキの原因がそれだけではなく、ある決定的な理由から、実家のある街に行くのが楽しくなったことに気づきました。

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リフォーム前の部屋

それは、親によって定められ与えられた環境であった実家ではなく、自らの意思で決め、自分が切り拓いた新たな拠点として故郷との関係を再構築できた、その事実が自分の心を弾ませるようになったのです。

賃貸サイトをくまなくチェックし、自分の好みに合う物件を探し出し、不動産会社に連絡し、内覧をしてあれこれ準備していくうちに自分の想いが変化するのを実感しました。

もう、故郷はかつて苦い思いをした場所としてではなく、京都と大阪の二拠点暮らしの場として、積極的に訪れたい街になりました。もともと自然が多く景観が美しい街なので、帰るたびにリラックスできる自分がいます。

この変化は、私だけでなく両親にとっても良い出来事だったようです。コロナ禍で外出もままならない母親の気晴らしの場にもなりつつあり、心療内科から処方されていた薬も飲まなくて済むようになりました。

実家の近所に団地を借りた。ただそれだけのといえばそうなのですが、故郷を再定義したということは、私にとってものすごい価値ある出来事になりました。

ま、それとは別で趣味のインテリアに没入できる遊び場ができて、本当に楽しいです。笑

また別の記事で、今回のインテリアについても紹介します。

 

本の読み方、生かし方

SNSが大好きな私ですが、会社を立ち上げてから意識的に本を読むようにしています。寝る前、休日、仕事が終わった後の夕方など。

といっても週に1冊読了できたらいいぐらいなので読書家に比べたら量は少ないです。けれど、会社を始めてまもなく3年経過しますが、読んだ本が生きてるなあと思う機会が増えてきました。

自分が本を読むときに、どういう本を読むべきかは、

- いますぐ仕事や生活に役立つ本(実用書)

- 世の中のことを知るための本(教養書)

の二通りをバランスよく読むように努めています。

で、蔵書が増えてくると、やっぱり自分の知識の引き出しができてきたなあと思うと共に、仕事や暮らしの折々で役に立ったと思うことも増えてきました。

つい先日、京都のコミュニティについて語るというトークイベントでスピーカーとして登壇しました。

20年間京都で暮らしビジネスに携わってきたものとしては話せることも多いので、そのまま何も準備せず登壇してもよかったです。が、今回は「コミュニティ」というテーマでしたので、今までに読んだ本の中から「コミュニティ」に関するものを引っ張り出してみました。それが以下の本たちです。

BEYOND SMART LIFE 好奇心が駆動する社会

BEYOND SMART LIFE 好奇心が駆動する社会

  • 作者:日立京大ラボ
  • 発売日: 2020/08/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 
これからの幸福について―文化的幸福観のすすめ

これからの幸福について―文化的幸福観のすすめ

  • 作者:内田由紀子
  • 発売日: 2020/05/30
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

これらを改めて読み返すとともに、トークイベントで話せそうなことは、メモにして持っていきました。

あとは、ウェブ上でコミュニティについて書かれたページを読んで基礎知識をゲットすれば、自分なりに用意ができました。

イベントでは、「人とのつながり」がメイントピックになったので、特に上に挙げた中で、私がはてな後に広報として勤務した京都大学こころの未来研究センターで教授をしている内田由紀子さんの本にある研究内容について紹介したところ、けっこう盛り上がりました。

その時、チラ見していたメモの一部はこちら。

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メモには本当にさわりだけを書いています。引き出しの取っ手みたいなものです。一度読んで中身は覚えているのですが、私は致命的に記憶力が弱いので、こうして取っ手を用意するだけでも違うんですね。カンニングペーパー...。

実際、イベントで単に「自分がどう思うか」を話すよりも、よほど、良い話題を提供できたように思います。

イベントの登壇者として、この程度の浅い知識の持ち主がトークしていいのか、と思われる方もいると思います。

その点はイベントによって登壇者に求められる素養は変わってきます。

有識者を呼べばイベントが盛り上がるというものでもなく、ライトなイベントでは、その場のオーディエンスに相応しい話を会話の流れから読み取って提供して盛り上げる、という役割が登壇者に求められます。

自分の経験談 + テーマに関する知識 + 場の流れをコントロールする問いや発言 をうまく提供できると良い登壇者になれるように思います。 

知識は、人に教えることで自分の頭に定着する、といいますが、読んだ本についても、こうして人に伝えることで自分にも定着し、人の役にも立つので良いなと思います。

良い本を読んで、仕事や暮らしに役立たせたいです。おすすめの本があればいつでも教えてください。

あーもっと本棚が欲しいなー。

 

自殺者の少ない町を旅した精神科医の本とオープンダイアローグ

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ここ数日はこの本に浸っていました。

とてもゆるりとした旅のエッセイ的な本でした。コロナ禍で地方を訪れる機会がなくなったので、この本の中で著者と共に旅をしながら地方の人たちと交わることができた気分です。

この本で著者は、日本で自殺者の少ない地方の地域を訪問し、滞在中に感じた「なぜここでは自殺者が出ないのか」を土地の人との関わりから考察しています。

そのなかで著者が引き合いに出しているのがフィンランドで自殺者を大幅に減らしたとする精神疾患患者のための回復援助療法「オープンダイアローグ」の考え方です。これと日本の自殺者の少ない町の人々の関わり合いや関係性のあり方に共通したものがあるというのが印象的でした。

オープンダイアローグでは、精神疾患患者を隔離せず孤立させずに、訓練を受けたスタッフらが患者本人と本人が関わる人たちとひたすらオープンに対話をしながら生きづらくなった理由や発症の原因を探っていく手法です。つまり、その人のコミュニティでの対話の場を作り、寄ってたかってその人に(もちろん手法を駆使しつつ)関わることで早期の回復を促すというもの。

自殺者の少ない町には、そのオープンダイアローグに通じる町の人たちの適度なコミュニケーションが息づいている、というのが著者の考えです。

オープンダイアローグの考え方、原則と、訪れた町の人たちとのエピソードの共通点を著者がまとめてくれていたので紹介すると、

  1. 即時に助ける
  2. ソーシャルネットワークの見方
  3. 柔軟かつ機動に
  4. 責任の所在の明確化
  5. 心理的なつながりの連続性
  6. 不確かさに耐える/連続性
  7. 対話主義

ということでした。例えば、移動の足がなくて困ったり、現地で調子が悪くなって助けてもらったとき、「困ってる人がいたら、今、即、助ける」という話を地元の人から聞きます。また、困りごとが解決するまで見届ける、自分に出来ないことならできる人に相談する、といった、各人に無理のかからない、けれども見捨てないコミュニティが形成されているとのこと。そこには、他者を尊重する対話があり、相手に期待しすぎず、自分軸を持ちながら接する対話主義が根付いているそうです。

私自身、個人と個人の対話が人を元気にし、コミュニティの活性につながると感じているので、とても納得感がありました。とはいえ本当に少しの滞在だけで自殺者の少ない理由が明らかになったのかというとまだまだ分からなそうでしたが、地域によって生きづらいところ、そうでないところはきっとあるだろう、そのような視点から町やコミュニティのあり方を考えていくのは大切だと思いました。

ちなみにオープンダイアローグについて詳しく書かれた本はこちらです。

オープンダイアローグとは何か

オープンダイアローグとは何か

  • 作者:斎藤環
  • 発売日: 2015/06/22
  • メディア: 単行本

本気で取り組むリーダーの言葉に心を打たれる 〜第2回ジャパン・ハッカソン、週末に開催

今週の金曜日から、京大起業部インターナショナルが中心となって開催する「第2回ジャパン・ハッカソン」が3日間に渡って開催されます。

昨年始まったこのイベントは京大起業部インターナショナルと京都府らが主催者となって、完全英語のオンラインで3日間開催されます。言語が英語であることと、世界に散らばる京大起業部インターナショナルメンバーらによるネットワークのおかげで、世界各国からの参加者があり、今年はなんと46ヶ国からエントリーがあるとのこと。

昨年の受賞3チームは全て起業を果たしたそうです。そのひとつは日本在住のイタリア人が中心となって会社を設立したとのこと。さっそくグローバルな起業の芽が日本で生まれたのは喜ばしいことです。

島国の日本ではやはり英語を使いこなしてグローバルに展開できる会社はなかなか誕生しません。それでも京大のような学校には世界各国から外国人が集まり、彼らと共に新しい価値を創造しようとする日本人が少なからず存在することも事実。京大起業部インターナショナルは、その原動力を活かして世界で通用するビジネスアイデアの芽を出すための仕掛けとして、このジャパン・ハッカソンを開催しています。

主催者であり実行委員会のリーダーである友人の赤城賀奈子さんは、「京都で国際的な起業文化を育てたい。そのためにとにかく行動する」という実践者で、その行動力にいつも惚れ惚れしています。

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赤城賀奈子さん

私は、強い意思を持って行動するリーダーが好きで、その人の思いを汲んでサポートすることが自分の持ち味だと思っています。

今回もこのイベントの広報をお手伝いする中、彼女の言葉に触れて、感激しました。その言葉を紹介します。

イノベーションは遠いアイデア同士が結び付くことで生まれます。

データによると、アメリカでは移民はアメリカ生まれの人よりも2倍、新しい事業を始める傾向が高く、米国のフォーチュン500企業のなんと40%は、移民かその子供によって設立されています。 2016年にはユニコーンの半分が移民が設立した会社です。(詳細を知りたい方は「すべてが『加速』する世界に備えよ」ピーター・ディアマンディス&スティーブン・コトラー著、NEWS PICKS)第14章とその原注をご覧ください)

つまり、このイベントや京大起業部インターナショナルにご協力くださっているすべての方々は、このような新しいイノベーションを生み出す環境作りに携わってくださっている方々であり、世界をより良くしようと考える人々にチャンスを与えてくださっている方々です。

主催者として、責任者として、ワクワクするとともに、皆様の惜しみないサポートに心から感謝しています!

 

自ら起業を経験し、京大MBAで学ぶ中、留学生らとの交流を経て京大起業部インターナショナルを立ち上げた彼女らしいコメントです。多様性の大切さ。また、イベント参加者を募集するにあたってのメッセージも印象的でした。

第2回のジャパンハッカソンのテーマはSDGsとDeepTechです。

何それ?という方は、恐れながらググってください笑 今回も本当にすごいメンターが勢ぞろいしています。見てください!この豪華な顔ぶれを!!

マイクロソフト、アデコグループ、アマゾン、メルカリ、筑波大学、マネーフォワード、そして優れた専門家や起業家たち。 こんなチャンスを逃してしまうのは、本当にもったいないです。しかも、誰でも参加可能です。人生を変えるチャンスかもしれません。

実際、前回の入賞3チームは、全員起業しました。

今、あなたが何者であるかは一切関係ありません。年齢も関係ありません。学生でも、起業家でも、無職でも問題ありません。新しいビジネスアイデアでチャレンジすればいいからです。

もし、アイデアがなければ、何ができるか書いて、登録してください。そして、ジャパンハッカソンを通じて、仲間を見つけてください。まだまだ勉強が必要だと感じるなら、登録して、2日目のワークショップに参加してください。参加費は無料だからです。

日本には、これからもっともっとイノベーターが必要であり、起業家が必要です。あなたがイノベーターになり、起業家になるかもしれないのです。家で自粛して鬱々しがちな気分をジャパンハッカソンにチャレンジすることで、吹き飛ばしてください!自分の中にある情熱を呼び起こして、勇気を出して一歩を踏み出してみてください。

「英語に自信がない?」だったら、なおさら今回のような機会を利用して、英語力をあげてください。今の時代、必須だからです。そして、多様なバックグランドを持つ、優れた人たちとつながってください。あなたの人生を変えるのは、これまで出会ったことがない人たちかもしれません。

エントリー募集は締め切られましたが、イベントは継続して開催される予定ですから、ぜひグローバルな起業を目指す人はチェックしてください。

また、メディアの皆さんはぜひ取材をお願いします!コンタクトは主催者か私まで。

第2回ジャパン・ハッカソン
 https://www.japanhackathon.com/#top
 
 【追記】オープニング&クロージングセレモニー、idea pitching、2つのWS、交流会、プレスカンファレンスは、どなたでも視聴可能です!興味のある方はぜひイベントスケジュールをチェックしてご覧ください!

us02web.zoom.us

次のワクワクを手にするために

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新しいiPhone

深夜のつぶやき。どうしたことだろう。これまで機種を変えるたびにウキウキしていたiPhoneなのに、今回は全く心が動かない。写真の映りが良くなったということだが、忙しくてこのところ写真欲がないから活躍させる機会もない。画面が広くなったけど相変わらず腰を据えてネットウォッチするときはタブレットを使うからそれほど変化を感じない。ポケットに入れるときに気になる程度だ。要するにiPhoneというものに完全に慣れてしまったのだ。

スマホはもはや未知のワクワクを与えてくれず、水道の蛇口みたいな存在になってしまった。しかも蛇口は頻繁に音を立てて私を呼びつけ、思考を中断し、行動を管理する。まるで蛇口に雇われているようだ。私の雇い主は私でありスマホは道具であるはずなのに。手のひらのデバイスに新しさを感じなくなり、うんざりすら感じるようになったことに愕然とする。

次はどんな新しいテクノロジーにワクワクや感動をもらうことになるのだろう。

そんなことを考えていたら、今日、その答えとまではいかなくてもヒントをくれるスタートアップに出逢った。

ひとつは、人がスマホを手にする風景を変えたいという会社。もうひとつは、カーム・テクノロジーという思想でもってこれからのIoT時代のライフシーンを創るという会社。私にとって象徴的な日になったので、その出逢いを皮切りに新たなワクワクを手にするために動いてみようと思う。