人類は目に見えないほど少しずつ、けれども確実に進化し続けている。その進化を引っ張っているのが研究者やスタートアップだと、私は考えています。
私のような普通の人は、目先のことしか目に入りません。けれど一部の特別な人たちは、遠い未来であれ近い将来であれ、これからくるべき世界のありようを頭の中で描き、その世界にあるべきものを形にするため、今、この瞬間に行動をしています。それがビジョナリーであり、スタートアップだと思います。
一つ前の投稿に書いた京都リサーチパークでの学生 x 企業によるアイデアソンイベント「MOVE ON」では、毎回、スタートアップの創業者やエグゼクティブをゲストに招いて事業紹介のプレゼンテーションを行ってもらっています。
私はそのゲスト選びに関わっており、過去には、Quora のエバンジェリストであり、多拠点居住スタートアップの ADDress にもコミットしている江島健太郎さんや、新しい屋台の文化と都市デザインを手がける STAND 3.0 の中谷さんに登壇いただきました。
そして今回は、京都で生まれたスタートアップで、カーム・テクノロジーの概念を掲げて躍進している mui Lab のCEO 大木和典さんにお願いしました。
mui Lab を知ったとき、はじめは「木で出来た mui ボードという家具のようなデジタルガジェットを開発販売する会社」だと思ったのですが、その理念や誕生のバックグランドを知るうちに、「最先端のテクノロジーを人の暮らしに穏やかに溶け込ませるための新たなプラットフォームを創るスタートアップ」だという認識に変わりました。
学生に向けたプレゼンテーションで大木さんは、京都で家具の街と言われる夷川通にオフィスと展示スペースを構えていることや、無垢の木を使った mui ボードで出来ることを紹介しつつ、シリコンバレーで生まれた「カーム・テクノロジー」という概念と共に、日本ならではの「佇まい」「余白」といった文化的な感性を汲み入れた、mui 独特の世界観が根底にあることを強調しました。
カーム・テクノロジーについては、書籍で詳しく知ることができます。
イベント初日のお昼で、まだ場が温まっていなかった時間帯だったのですが、大木さんのプレゼンによって Zoom のチャットが一気に盛り上がり、mui Lab の理念や世界観や取り組みが学生たちの琴線にも強く触れたことがわかりました。
実際、mui Lab は Lab という名がついているだけあり、アカデミックな土台がしっかりとある企業です。京都の大学や文化機関、自治体とのつながりも大切にしており、スタートアップとしては世界規模を目指しながらも、京都での「まちづくり」にも真摯に関わっている稀有な会社なので、大半が京都の大学に所属している学生にも、その先進性と共に魅力が伝わったのだと思います。
学生から「mui ボードに古材を使ったりしないんですか?」と質問を受けたとき、「木材の素材にこだわるというよりは、テクノロジーをどう人の生活に調和させるかが主題であるため、古材を使うことは考えていない」といった返事があったのも納得感がありました。
翌日、ある学生チームが発表したビジネスアイデアの中に「mui Lab と提携して mui ボードを設置する」という内容があり、思わず「やった!」と呟いた私でした。
mui Lab のカーム・テクノロジーがいかに伝統的な住居に調和しているかは、最近発表された京都の町家を再生、販売されている企業とのコラボの発表ページをご覧ください。
また、最近ではエグゼクティブアドバイザーに元アップル副社長の前刀氏が就任したと発表がありました。これから、テクノロジー企業としてさらに加速を目指すとのことですから、楽しみです。
エグゼクティブ・アドバイザーに元アップル米国本社副社長 兼 日本法人代表 前刀 禎明氏が就任、muiプラットフォームの事業化を加速 | mui Lab
mui Lab では学生インターンを募集しているそうですので、最先端テクノロジーと暮らし、文化の融合に興味のある学生さんはご検討ください。
さて、次はどんなビジョナリーの魅力をお伝えしましょうか。これからも起業家と若者をつなぐ仕事を続けたいと思います。