子どもとゲームと親の関係について

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子どもとゲームと親の関係について思うことをしたためます。

うちの子は父親がウェブの会社をやっていて、偶然にも子どもが生まれた2008年からは任天堂と仕事を開始した。そんな環境も手伝って、iPadiPhoneは2才ぐらいから、ゲームは保育園の年中ぐらいからスーパーマリオマリオカートをやるようになりました。

今は家にはSwitch、WiiU3DS、子ども用のiPhoneがあり、毎日のようにクラスメイトが家にやってきます。週末には保育園時代からの友だちが遊びにくる。お目当てはやはりゲームです。

そこで気になるのが、子どもたちの親のゲームに対する嫌悪感だ。親たちと話をすると「ゲームばかりして」「ゲームを欲しがるけど買わない」「ゲームは一日1時間に限定している」と、アンチゲームな言動が多い。おしなべてゲームは悪だと思っているようです。

本当にゲームは悪でしょうか?

私も一時期は子どもがゲームにばかりのめり込むので、どうしたものかと悩んでいました。家にはレゴや積み木やパズルやボードゲームが山ほどあるのに、なぜゲームばかりするのだろう、どうしたらゲーム以外のことに夢中にさせられるのだろう、と困っていました。

観察していたら、ゲームはとてもよく作られていることが分かりました。多大な時間とおカネをかけて開発され、使い手を楽しませるために売れるために作り上げられたゲームは、子どもが他のことに見向きもしなくなるほど面白く、繰り返しやっても飽きることがありません。私はゲームはやりませんが、子どものプレイを見たり会話を聞いているだけでもそう思います。中毒性はありそうです。だから悪かといえば、悪かもしれません。

そのゲームを子どもがずっとやっていて、良くないかと言えば、やはりそれだけしかやらないのは良くないでしょう。ゲーム以外のこと(運動や勉強)をしなくなって、ゲームにのめり込むとすれば、問題です。

要はバランスで、そこで必要なのが、親の理解と介入です。

うちでは放課後に子どもたちが4〜5人やって来てゲームを始めますが、だいたい1時間半ほど経過したらその後は外で遊ぶように家から追い出しています。追い出すときには「これだけ十分にゲームをやったんだから、後は公園でたくさん体を動かそうね」と説明し、一緒に片付けをしてから見送っています。彼らは抵抗するかと思いきや、しぶしぶ言いながらも散らかったお菓子のゴミやリモコンをしまい、しまいにはみんなで嬉々として公園に繰り出していきます。

子どもたちが外に出かけていく様子には、どこかゲームから離れることのできた解放感すら感じます。デジタルものに長時間触れると脳が疲労するのでしょう。外の空気を吸って、日が暮れる頃にはリフレッシュした様子で帰宅してきます。

ただ、放っておけば子どもたちの方で腰をあげて外に遊びに行く、なんてことはまずありません。ゲームをいったん始めると、大人でもなかなか離れられませんよね。スマホだってそうです。だから、子どもには「ゲームから切り替えさせる」大人の介入が必要です。

なお、休日にはもう少し長い時間プレイしても良いことにしていて、半日ゲームしたら半日は外に出るなど工夫しています。雨の日も室内ドッジボールとかボルダリングジムや広々とした博物館に行くなどで体を動かすようにしています。

また、どんな風にゲームをやらせるか、どんなゲームを選ぶかも大事になってきます。 うちでは今は主に「マインクラフト」と「スプラトゥーン」をやっていて、マイクラは4人まで同時にやれるようコントローラーを増やしています。マイクラでは仲間と知恵を出しあって、時にはこちらが驚くような見事な世界を構築しています。牛や鶏を無駄に殺したり村人をいじめるようなプレイをしていたら、横から口をはさんで「ゲームだからって命あるものをいじめたらあかーん!」とたしなめています。

スプラトゥーンはSwitchでやりたい子が複数いたらちゃんと順番交代でするように、独り占めしそうな子にはあらかじめ釘をさしています。順番にあぶれた子はスマホ3DSで小さめのゲーム(トロッコやねこあつめ、にゃんこ大戦争、ぷにぷになど)で遊んでいます。また、ゲーム初心者の子が来たときのために、Nintendo LandマリオカートWiiリゾートのようなシンプルな操作でワイワイと楽しめるゲームも用意しています。子どもですから多少のいざこざはありますが、おおむねうまくまわっています。

今や切っても切り離せない子どもとゲームの関係。あきらめるのではなく、拒絶するのでもなく、理解した上で、うまく子どもと付き合わせるために、親も努力して、工夫する必要があるのではないでしょうか。

放課後の子どもを観察している暇なんてないわ!という親が多いと思います。私だって本当は、バリバリと働きたいです。でも、今はまだその時期じゃないと思っているので、あえて仕事の時間を減らしています。それができるのは恵まれているとは思います。 だから、働いている親の子がうちに来たら、自分の子と同じようにお世話をしているのです。何十人も何百人もお世話することはできないが、多少は人の役に立っているのではないかと思います。

ちなみに将来、ゲームをしていたら職業面で得かどうかは、私にはよく分かりません。

ただ、個人的に思うのは、私の周りでIT、とりわけウェブサービスの業界で楽しそうに働いている若い世代は、多くの人が子どもの頃からゲームが好きで、今なお楽しそうにゲームの新作を追いかけています。 うちの子どもがこの先、どんな風になるのかは分からない。もしかしたら、ゲーム漬けになってひきこもるのかもしれません。あるいはゲーム以外のことに夢中になって、まったく想像を超えた仕事につくのかもしれません。

今、親である私にできることは、子どもがそれほど夢中になっているゲームを子どもが満足いくようにやらせてあげると共に、「ゲーム以外にもやるべきことはある」ということを、子どもも納得のいくよう説きながら、うまく切り替えを手伝ってあげることだと思っています。

朝からゲームばかりやっていた子どもたちを家から追い出した昼さがり。気になっている子育て仲間の参考になればと思い、したためました。

それにしても、こんな風に子どもの世話をするのもあと何年、とかなんだろうなあ。手探りだけど、がんばっていこう。