旅ぷらん

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 連休に入って、京都がどんどん浮かれ始めた。鴨川べりにも今出川通にも百万遍にも観光客とおぼしき人たちが数多く出没している。いや、出没レベルではなく彼らのほうが多勢だ。観光客からは気合いが感じられる。この一瞬を無駄にしまい、何かを手に入れて帰ろう、収穫物に向かってさあ歩け、という狩猟民族的気概が漂っている。力の入り具合がちがう。

 先日、カウンターで隣の席に座ったカップルは毎月かならず京都にやってくるという。街中のホテルに泊まってひたすら路地から路地をねり歩いて過ごしているらしい。きっと私よりも彼らの方が京都に詳しいだろう。

 そうだ、私も久しぶりに旅でもしようかな。そう思って年末年始の過ごし方を考えてみた。那覇のゲストハウスにはまだ空きがあった。金沢の温泉につかってご当地に住む摩子ちゃんを訪ねるのもいい。諫早のIさんに迎えてもらうとか、福岡のMさんと再会するのも愉しそうだ。あるいは昨冬泊まって気に入ったスカイツリーが見えるホテルに連泊して関東の友人たちを訪ね歩くというのはどうか。いっそのことハワイ?などなどアイデアは尽きない。

 でも、どれも何かしっくりこない。なんでかなあと考えたけど、よく分からない。

 しばらく経ってから、「ああ、そうだ。私、京都に居たいんだ」という意外な結論に辿り着いた。異邦人の目線で京都を歩いてみたいと何処かで思っていたことに気付く。ふだん目にする観光客に憧れていたのだ。家のことや仕事のことは置いといて、いつもは行かないような場所に観光客として行ってみたい。ホテルに泊まるのも一興かもしれない。友人を迎えて一緒に歩くのはどうだろう。彼此考えていたら気分が高揚してきた。早く年末になると良い。あともう少し。