ただいま

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 しばらく京都を離れていましたが、今朝、戻ってきました。今年の夏休みはいつに増して出向いた場所、出逢った人が多かった。

 8月11日には知人の結婚パーティで東京へ。初めてはてなの東京オフィスを夫に案内してもらい、南青山をぶらぶらし、渋谷のヒカリエを見て、新しくなった駅から副都心線に乗りました。渋谷駅の西口から徒歩5分の鴬谷町に住んでいたのは2004年のこと。しなもんを連れて桜ヶ丘を越えたり、代官山を散歩したり、恵比寿まで遠出したりと、ずいぶん歩き回ったものでした。その頃からすっかり変わった街を目の当たりにし愕然としたけれど、今回の訪問で古くなったファイルを更新できて良かったです。アップデートに貢献してくれた夫に感謝。結婚パーティでは、お世話になった方の幸せを祝福できたことと、ネット上で馴染みの顔ぶれとリアルで対面もしくは再会できたことが良かった。京都に戻るのに夜行バスを使ったことは大失敗だったけれど。

 14日からは友人家族と共に新潟県の妙高高原へ避暑に出かけました。東海道新幹線、中央線、上越本線を乗り継いで片道5時間の大移動でしたが、それだけの苦労をしてでも行く価値がありました。源泉掛け流しの温泉に毎日浸かり、女三人で早朝トレッキングにいそしみ、友人のご主人が作るプロ顔負けのご馳走に舌つづみを打ち、眼前に草原が広がるヒュッテで仲間と共同生活をする4日間は、心と命の洗濯、というにふさわしい時間でした。何より携帯の電波が届かなかったことで、たくさん考え事をしたのが良かった。虫の音以外には何も聞こえないバルコニーに独り腰かけて、考え、考え、考えて過ごしました。答えも何もないけれど、少しばかり方針あるいは行動指針のようなものが見えました。

 17日には、高原をあとにして、夫の実家を訪問しました。愛情あふれる義父母のもてなしに心が温かくなり、お盆に家族が集まる意味を思いました。早朝、ひとりジョギングに出て、かぎりなく広大な田園を進み、山際にある神社まで走った時間が格別でした。

 そして今日、京都に戻りました。高速バスをおりて五条通におりたったとき、あまりの蒸し暑さにふらふらしたものの、これぞホームに戻った心地になりほっとしました。気がつけば、すっかり京都の人間になりました。昼には大学時代に入っていたヨット部の同窓会があり、スペイン料理を囲んでわいわいと過ごしました。毎週末、滋賀県のヨットハーバーで合宿し、寒風吹きすさぶ湖上で命がけでセールを張った冬のこと、倒れそうな暑さのなか、無風状態にうんざりしながら風を待った夏のこと、バブル期のヨットハーバーで部費を稼ぐ為にアルバイトをして、絢爛豪華な大人の世界を垣間みたことなど、思い出話は尽きません。そして今は、それぞれがそれぞれの場所で懸命に人生を送っています。互いの近況を知らせ合い、時に賛辞し、時に率直な意見をぶつけあい、時に共感しあって、飲んで食べて、風のように時間は過ぎました。来年も会えると良いな。

 休暇をとるってどういうこと、と問われてもこれまではうまく答えられなかった気がします。しかし今回、しばし日常から離れ、ネットから距離を置いて、自然に包まれて、自分と向き合って、家族や友だちとじっくりふれあったことで、生きる力を取り戻したような気がします。もちろん休暇中に全てのことができたわけではないけれど。やり残したこともあったけれど、それはまた日常で挽回していきたい。挽回できるはずです。

 今、京都に戻って、思うこと。とにかく明日からまた己の持ち分を全うしよう、ということ。家族を愛し、仕事を愛し、友人たちを愛し、日常すべてを愛したい。全力で。今ならそのパワーが十分に満たされている。リフレッシュ完了。