0歳からの保育園入園を義務化するのはどうだろう

お昼のニュースで乳幼児、特に保育園や幼稚園に入る前の子どもに対するネグレクトや虐待が増えていることが報じられていた。核家族化、シングル親の増加が進めば当然の流れだろう。

少子化対策、保育園の待機児童削減に向けての取り組みなど、政府もいろんなことを進めているが、虐待やネグレクトは増加の一途だ。産めよ増やせよ、保育園の待機児童を減らすから共働きせよ、というだけでなく、もっと草の根で子どもを育てやすい社会にしなければならない。

ベビーシッターやキッズシッターのサービスも増えて来たが、家計的な負担はやっぱり大きいので、まだまだ限られた家庭の利用にとどまっているようだ。

それなら、いっそのこと、出産後すぐに0歳児全てが保育園に入園することを義務化してはどうだろう。

義務化が行き過ぎならば、0歳からの保育園入園が当然で、むしろ家庭で保育するのは特別な家庭のみ、という形式を一般化させるのはどうだろう。出産後、自動的に産んだ病院で保育園の入園手続きをして、産後数ヶ月以内には保育園に入るシステムを作ってしまえばいい。

祖父母が同居している、あるいは近くに住んでいる家庭は保育園には入れなくてよい、という声が出るかもしれないが、面倒をみる祖父母が辛い思いをしているケースは少なくない。昔なら近所の人にちょっと見てもらったり、町内や団地の子ども同士で遊ばせられるから祖父母がつきっきりにならなくて済んだわけだが、今は朝から晩まで預かった孫と向き合わねばならない。

だとしたら、もう社会全体で0歳から子どもを育ててはいいではないか。保育園で。1日の何時間かはプロフェッショナルの保育士に保育してもらえれば、虐待やネグレクトは大幅に減るのではないだろうか。

子どもを出産して喜んで自宅に戻ったのもつかの間、配偶者が朝から晩まで仕事に行き、家で誰とも話さず赤ん坊の相手をすることの辛さ、ハイハイやよちよち歩きをし始めたら片時も目を離すことができない、子連れの外出は移動も大変で周囲への気遣いでヘトヘト。この苦労が向こう何年も続くことの絶望感たるや。私自身、今でもあの日々がトラウマになっている。「生まれたら保育園に入るのがトーゼン!」という社会になれば、産むのも躊躇せず、働き続けることが可能となり、育児における精神的な負担が大幅に減るだろう。

少子化が進むいま、育てるのが辛い根本要因を考えれば、これぐらいの思い切った施策も必要ではないかと考えたのだけど、どうだろう。

村(ムラ)社会の外側へ

最近、アメリカのドラマで芸能界をテーマにしたドラマにハマっていました。それを観ると、ハリウッドの映画やドラマ業界はコネクションが重要で、かつ分業が徹底しており、いわゆる「村(ムラ)社会」であることがわかります。

ハリウッドやアメリカに関わらず、世界どこでも「○○業界」に長くいればいるほど、自分が村社会の一員になっていることが分かります。で、業界が村社会であるとして、例えばハリウッド映画のように、そこから生まれたものが一般の人たちに価値として多く提供できていれば良いわけですが、一方で業界というか「界隈」とでもいうような、いわゆるコミュニティでお互いの利益を享受しあっているのに、外部にあまり価値がもたらされていない場合はよろしくないな、と思うこの頃です。

自分の身近なところでいえば、○○支援とか○○創発などをテーマに掲げたビジネス界隈は、ともすればクローズドな範囲で同じ人たちで盛り上がっていて、実は一般にはほとんど知られず、なかなか本当に届けたい人に価値を提供できないうちに税金や経費ばかり使われている、というようなこともありうるように思います。他にも似たケースってあるのかな?

私自身、若い人の起業を支援する取り組みや、女性の自立に向けた意識改革のための活動で貢献したいと思っているんですが、既に意識を持っている人たちを対象とするのではなく、その外側にいる人、「そんなこと考えたこともなかったわ!」ってな人たちに対して伝える努力をしなくちゃな、って感じています。

重要なのは、外部的視点を持つこと、それが無理なら外部の人の意見を聞くこと、価値を届けたい相手がどこにいるのか気にすること。目的を忘れないこと。かな。

特に目的達成のため広報は大事だと思う。SNSでもTwitterでもブログでも、できるだけ広い範囲の人に知ってもらうという目的を忘れずに動くとか。

いずれにせよ行動あるのみ、ですねー。

ちなみにハマっていたドラマは『The Marvelous Mrs. Maisel(マーベラス・ミセス・メイゼル)』です。Amazonプライムビデオで観れます。めっちゃ面白いです。

www.amazon.co.jp

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掛け算のキャリアで仕事をする

 9月1日から4日まで龍谷大学の秋庭太先生による集中講義「起業論B」のゲスト講師として、講義で取り組むアイデアソンのメンターを務めています。今日が3日目、いよいよ学生自身によるビジネスモデル構築作業に突入。ハードながらエキサイティングな時間になっています。

学生の集中講義で起業家ピッチを視聴し応援

その合間をぬって、ウェスティン都ホテルで開催されているスタートアップのイベント、ICCサミットのピッチコンテストに登壇する予定の起業家、株式会社abaの 宇井吉美さんに会ってきました。宇井さんは、千葉大時代に発案した介護現場における排泄物の匂いをデータにして介護スタッフに知らせるセンサー付きのマット「Helppad」で起業し、現在、シードA'で頑張っています。

9月1日、ホテルに宇井さんを表敬訪問したところ、私が講義する2日午前の時間帯に彼女が登壇し、Youtubeライブ配信されることが発覚。学生にとっては現役の起業家のプレゼンを見ることができる願ってもないチャンス!ということで秋庭先生に許可をいただいて、ピッチコンテストを学生と共に視聴したところ、ものすごく盛り上がり、起業家たちの気迫が講義に良い影響を与えてくれました。

↓ページ内にYoutubeの録画あり。宇井さんは3番目に登壇しています。

industry-co-creation.com宇井さんは2位になったということで、さすがなのですが、ご本人は悔しい思いをされている様子(そりゃそうか)。でもビジネスの勝負はまだまだこれから。ぜひ介護業界を変える革新的な製品である「Helppad」を多くの人に届けられるよう、引き続き頑張って欲しいです。

オンラインアイデアソンを乗り切る秘訣とは?

今回、オンラインアイデアソンを乗り切る秘訣を学生に伝えるにあたり、京都のアイデアソン・ハッカソンを引っ張る井上雅登さん(京都リサーチパークイノベーションデザイン部)、澤村 功夫さん(スタートアップウィークエンドオーガナイザー)、小川 清誠さん(企業マンでハッカソン、アイデアソンに多数参画)にお願いしてコメントをもらい、紹介したところ学生さんたちから好評でした。

コロナ渦で春からのKRPのイベントがほとんど中止に追い込まれながらもオンラインへと移行し始めている井上さんは、「不完全さを認め、受け入れて、行動する」と現状の思いを伝えてくれ、澤村さんは「アイデアソンの良さは、自分では気づけないフィードバックが得られる事」と共創の価値を伝え、小川さんは「バスケやサッカーのパスみたいな感じ」とアイデアソンの会話の進め方をアドバイスしてくれました。感謝!

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それにしても、私がアイデアソンのメンターを務めると、なぜか絶妙なタイミングで起業家が京都にやってくる、という現象が重なってビックリ。昨年は、KRPにふらっとやってきたシリアルアントレプレナーの江島健太郎さんが当日にいきなりゲストになってくれて盛り上がったし、偶然性の面白さを実感します。アイデアソン参加者に刺激と学びを提供したい、という主催者さんは、ぜひ近藤までお声がけください笑。

9月10日、11日には、京都リサーチパーク主催の企業と学生をつなぐ「Move on」でファシリテーションをさせていただきます。そこには、関西の起業家として「新たな屋台スタイル」をキーワードとする革新的な活動で注目を集めている 中谷 タスク さんにゲストとして来ていただくことになっています。こちらも楽しみ。

また、12日には グローカル人材開発センター 主催の高校生向けプログラムにお邪魔します。高校生の皆さんに、社会で活躍する起業家たちのリアルを伝えつつ、多様な生き方、働き方の楽しさをお伝えできたらいいな、と思います。 

掛け算のキャリア

はてな創業メンバーといえど、私自身は起業家そのものではありません。ひょっとすると「起業家でもないのに、はてなという名前を利用してスタートアップ界隈にいるけど、本物じゃない」と思っている人もいるかもしれません。

けれど、様々なイベントから声がかかるのは、大学の先生にしろ、リサーチパークにしろ、NPOにしろ、場づくりの主催者の企画意図にできるだけ応える働きをするからだと自己分析しています。そこには自分の多様な仕事経験があるからで、20代の頃に司会とライティングのプロだったことと、はてなでゼロから事業を作り上げるメンバーとして創業者と24時間共に働いたこと、京都大学の研究センターの広報としてアカデミックな世界に触れていたことが大きかったです。(あ、他にももっと若い時は、OLとかホテルのコンパニオンとかバーのお姉さんとかもやっていました。それも大きいかな笑)

とりわけ、はてなの成長過程で色んな現場の無茶振りに応えて動いてきたこと、数々の起業家を見てきたこと、はてながIPOを果たすまでのプロセスを間近で見続けていたこと、さらに今も自分が次なる事業に挑戦していることなど複合的な要素が、自分らしいキャリアにつながっていると思います。どれも単体だったら弱いけど、掛け算によって、色んな引き出しから現場で最適なものを出せるから、喜ばれているのでしょう。

ワークショップやアイデアソンなど、他者との共創によって価値を生み出すアクティブラーニング的な学びの場が急激に増えている昨今、場を盛り上げ、価値を提供し、参加者と主催者を満足させることのできるキャストが求められているのでは、と思います。「おもてなし」が出来て、なおかつビジネスのプレーヤーでもある人間は意外と希少なのかもしれません。であれば、求められるまま応えたいと考えています。

まとめると、若いうちはバラバラだったキャリアも、自分という一貫性のもとで動いていれば、いつかそれが独自のキャリアになる、ということです。若くからキラキラのキャリアでなくても、長く頑張っていれば、いいことがあるよ、ということ。それは色んな人に伝えていきたいと思っています。