8月が終わる。
いったい幾つの夏を繰り返しただろうか。
私にとって特別な夏は、なんぼでもある。
田舎で真っ黒になって川あそびした子供時代の夏。
バレーボールに夢中だった中学の夏。
ドーナツ屋でドーナツばかり売っていた高校2年の夏(ためたお金を手にスプリングスティーンのカセットを携えてアメリカへ渡った)。
恋とヨットにのめりこんだ大学1年の夏。
マイクを手に全国各地のロードレース会場を渡り歩いた20代の夏(東北は6年かけて6周した。相馬も、閖上も、クリテリウム会場だった。人が優しくて、大好きな場所だった)。
往復11kmの道のりをマウンテンバイクで通ったはてな初期の夏(帰り道の登り坂が辛くてアスファルトばかり見つめて走った。お金がなかった)。
不安と興奮で気が遠くなりながらシリコンバレーの地に降り立った2006年の夏(El Camino Realのオフィスで迎えてくれた梅田さんの笑顔、今でも覚えてる)。
小さな命が出てきた2008年の夏(あれからもう5年。息子はスーパーマリオに夢中だ)。
2013年夏。
今年もまた、忘れられない夏になった。
沢山の人との触れ合いがあった。ああ、いまこの人と、この人たちと心を重ね合わせているな、と思えるひとときがあった。
たくさん話した。私というものを分かってもらうために、相手を分かるために、ずいぶんと自分をさらけ出して、目をみひらいて、耳を傾けて、話した夏だった。
もっと自分らしく、もっと人に近く、もっと前を向いて、もっともっともっと...。とても欲張りで幸せな夏だった。
私の夏に関わってくれた、家族、友人、すべての人に感謝したい。
髪を切った。夏を私なりに終わらせるための儀式をした。
私の夏を終わらせてくれた美容師さんが写真を撮ってくれた。
精一杯の笑顔で応えた。
夏への感謝をこめて。