何のために夫婦でいるのか

知人の奥さんが亡くなったと連絡がきた。

その知人とは五年前に知り合ったのだが、どこで会っても奥さんは同伴せず夫婦はバラバラだと言っていた。

実際、結婚してから30年近く、「亭主元気で留守がいい」(むかし流行ったCMのフレーズ)を実践していた夫婦だった。

2年前に奥さんが末期ガンと分かってから状況が一変した。

飲み会も、夏のレジャーも今まで一人で参加していた彼がまったく姿を見せず、朝から晩まで奥さんの看病に徹するようになった。

仕事も全て投げ打って、奥さんのことを面倒見る生活に切り替えた。

奥さんは奥さんで、夫以外の人には世話されたくない、他人の面会も受け入れない、ただ、夫がそばで看病していればよい、と完全に夫を占有しての最期を望んで日々を過ごしていたらしい。

そして奥さんは亡くなった。

30年も同じ屋根の下で別の暮らしをした夫婦が、最後に過ごした一年半の濃密な時間。

果たして何のために、誰のためにその時間はあったのだろうか。

私自身は一夫一婦制に疑問を持ち、夫婦が長らく継続するのは無理があると考えて生きている。

彼らは同じ屋根の下に生きながら別々の暮らしを30年送り、最後の一年半にひとつになって夫婦としての時間を昇華させた。

そこにある意味は何だったのか。

人生100年の時代になって、老後といわれる時間が人生の大きな割合を占めるようになった。

そのなかで夫婦はどうやって夫婦として一生をまっとうすればよいのか。

夫婦の幸せとはどういう形であればよいのか。

私は、もう戸籍上の夫婦には意味はないと思っている。

この生きづらい社会で自分や大切な人たちが明るく幸せに生き延びるために、いかに最適な人間関係を形づくるかがテーマであって、もはや夫婦であったり事実婚であったりというのは全く関係がないと考えている。

妻を亡くした知人は、このあとどうやって生きていくのだろう。

人の奥深さ、自分には理解しえぬ難しさを感じている。

「起業」がテーマのトークイベントを京都リサーチパークで開催します(9/19)

9月19日(水)19:00〜、京都リサーチパーク(KRP)に新しくできたオープンラウンジで、トークイベントならびに交流会を開催します。

会社ができたばかりの7月、KRPの成長起業支援部インキュベーションチームの梅田さん、大信田さん、井上さんから「実は新しいオープンラウンジができたんです!見てください」とお誘いいただき、現場に行ったところ、とても雰囲気のよいカジュアルなイベントにぴったりのスペースが完成していました。

すでにいくつかのイベントが開催されたそうで、どれも盛況だったとか。「Voice4uさんにもぜひ何かやってほしいです」とオファーをいただき、下記の企画を考えました。

企画に関してはかなり悩んだのですが、もしも自分が学生や社会人になりたての頃に「起業したい!でもどうすれば?」と考えたとき、実際にスタートアップを成長させた先輩の声が聞けたら、ビジネスへのイメージをふくらませることができて良いだろうなあと思ったからです。

アメリカメンバーの由美さん(id:kuboyumi)と聖さんは、現在もサンノゼでテクノロジーの進化と共に、現地の激しい物価高騰と闘いながら(笑)ビジネスを展開しています。そんなふたりの熱い生の声を学生さんや若い方に届けたいと思います。

当日は、下記のような「ぶっちゃけトーク」をお聞きいただき、質疑応答もどしどし受け付けて、ドリンクやスナックを囲んだ交流の時間も持つ予定です。

 

ぶっちゃけトーク内容

・最新シリコンバレー事情(最新テクノロジーから物価高騰まで)
・オリジナルアプリ開発の舞台裏
・どうやって儲けたのか?
・技術力があればテック企業は成長するのか?→NO!
・シリコンバレーで日本人が起業するとどんなことが起こるのか
・いまなぜ日本でスタートアップなのか
・会社を設立して軌道に乗せるまでに必要なこと(日米比較)
・作りたいもの、成し遂げたい事があるならスタートアップを選ぼ
・シリコンバレーでインターンシップを経験するということ
・日本法人の設立は意外とカンタン!オンライン会社設立サービス活用Tips

 

また、当日は京都リサーチパーク、京都信用金庫、京都高度技術研究所(ASTEM)などの創業支援のご担当者が参加される予定ですので、起業家を支えるプロフェッショナルと対話していただけます。

興味のある方のご参加をお待ちしています!近藤令子と久しぶりに会いたい、という方もぜひどうぞ!(笑)。

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↑会場となる KRPの新しいラウンジ(JR「丹波口」徒歩3分。京都駅からはひと駅です)

 

起業入門!シリコンバレーの先輩に学ぶ スタートアップのつくり方&育て方 | Peatix

 

この4平米のブースではてながスタートしたのだった

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今日はVoice4uが入居しているシェアオフィス( https://stc3.net/ )の会員交流会に参加。

30人ぐらいの様々な業種業態の人たちが集まって、5分程度のピッチ(プレゼン)をして、その後、ビールと美味しいご飯を囲んで交流をした。

そのなかに、どこか懐かしい顔の人がいた。絶対にこの人とは日常的に会っていたと確信できる人だった。

それもそのはず、交流が始まってすぐにご挨拶に行ったら、はてなが創業時に入居していた京都リサーチパークのインキュベーションブースの入居者の人だった。

その人の名はマスダさん。英語が堪能で、我々が人力検索はてなを始めたばかりでヒーコラする横で、流暢に英語を駆使して、リサーチャー的な仕事をして稼いでおられた。マスダさんのブースは私たちの三倍ぐらい面積があって「いいなあ、こんな部屋を独り占めして」と羨ましく思っていた。

マスダさんのほうも、2メートル×2メートルの簡素なパーテーションで区切られたブースに、jkondoとonishiと私がぎゅうぎゅうに入って仕事をする様子を興味深く観察しておられたようで、「いやぁ、あの頃は大変だったのに頑張ってたねえ」と感慨深げに振り返っておられた。

で、マスダさんがスマホを私に見せて、「あの狭いブース、君らがいたあと、2016年に取り壊されることになってね、記念に撮影しといたよ」といって、当時、私たちが入っていたブースの写真をプレゼントしてくれた。

そうそう、このブースでした!

二人しか座れないので、正面に見えているキャビネットを手前に出して、そこにPCを置いてjkondoが仕事をしていた。ここで人力検索はてなが誕生し、はてなアンテナが誕生した。

「たまに大きな怒鳴り声が聞こえたりしてね、それもハラハラしながら見ていたよ。でも立派に成長して、小さなブースから出世して嬉しかったよ。こんな形で、奥さんと再会できるとは、良いものだねえ」

と言ってもらった。

今から思えば穴に入りたくなるほど恥ずかしいはてなの創業期。税理士さんを招待して会議スペースで飲み会をし、朝まで廊下で転がって寝た、なんてこともあった。周囲の大人のみなさんに許してもらって、支えてもらって、成長できたと実感している。

そんな懐かしい話で盛り上がって交流の場を過ごし、帰宅してメールチェックをしたら、なんと人力検索はてなから「回答オープンのお知らせ」というメールが来ていたので、おったまげた。

いったいどこのどなたが回答をオープンしたのかはわからないが、創業時にがんばっていた人力検索の回答で、質問者が閲覧しなかったのを第三者がポイント支払いすることよって開く機能が実行されたようだ。

q.hatena.ne.jp

いやー、なつかしい。

ユングは集合的無意識を主張した心理学者だが、実際、そういうのがあるんじゃないかなあというほど、すごいタイミングの通知だった。だってもうここ何年も人力検索のことなんて忘れていたんだもの。

昔話で盛り上がるのは無粋だけど、たまにはいいものだ。

あの頃と同じように、またスタート地点に立てて幸せだ。はてなとは別物だけど、はてなでの経験を生かしながら、一歩ずつ進んでいけたらいいな。マスダさんや様々なビジネスの先輩がたに見守ってもらいながら。