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8才の息子とテクノロジーにふれる旅をした

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3月29日から4月1日、三泊四日で福岡を旅してきた。

目的は出発前に書いたエントリーの通り。

reikon.hatenadiary.com

ちなみに、前回のブログでは TECH PARK KIDS という名前で紹介していたが、折しも私たちの滞在中の3/31に、名称が TECH PARK KIDS から TECH PARK へと変更された。隣接していたFab施設の一般向けのサービスを終了し、そのぶん、子ども向けの事業の一層の拡大に注力するそうだ。

www.techpark.jp

旅の初日、私と息子がお邪魔したときは、スプリングスクールの特別なメニューのひとつである「CM制作(協力:ソニーストア)」の終盤で、各グループで作ったCMの発表がおこなわれていた。自分たちが登場したコマーシャル動画を見ながら、笑いころげる子どもたち。カリキュラムが終わると、自分のノートPCをカバンに詰めて帰宅していく。初めて見る光景に、息子も驚きを隠せなかった様子。

二日目の3/30は、朝から会員の子どもたちと同じようにカリキュラムに参加。スプリングスクールでは、毎日ちがうメニューが提供されていて、その日は、「プログラミングでゲームやアートをつくろう」という日だった。午前中は、タイピング練習の時間が設けられ、その間に、先生が子どもたちのPCの設定やスキルをチェックし、午後からのプログラミングに備えていた。

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午後はふたつのレベルに分けられ、息子は初心者・低学年向けのグループに入り、ビスケットというビジュアルプログラミングを使ったゲームづくりに挑戦。すっかり場になじんだ息子は、仲良くなった子たちとふざけあうほどになった(ホッ)。ちょうど良いタイミングで席まで巡回してくれる先生の指導のもと、ビスケットの操作にも慣れ、後ろに座っていた私に見向きもしなくなった。そんなわけで、その場から解放された私が天神のお洒落スポットめぐりから戻った頃には、子どもたちのPC画面には色とりどりのシューティングゲームが出来上がっていた。

翌日の3/31は、TECH PARK の外に出て社会科見学へ。観光バスに乗り込んで、まる一日かけて 北九州イノベーションギャラリー と 北九州市立いのちのたび博物館 、ふたつの施設見学ツアーに参加した。その日の様子は、Facebookページで紹介されている。

www.facebook.com

道中、前日に仲良くなった友だちとバスの後方座席を陣取って、いま夢中になっているスプラトゥーンやマインクラフトや好きなYouTuberの話で盛り上がった息子。子どもって、どこに行っても友だちを作ることができるだなぁとあらためて実感。

息子は一人っ子。ふだんは兄弟がいないことで不満を言ったりはしないが、やはり遊び相手がいないときには寂しそうにしている。なので私のミッションは息子に友だちと遊ぶ機会をできるだけ作ってあげることだと思っている。今回、このイベントに参加すれば、息子に博多っ子の友だちを作ってあげられるかもと期待していたが、その通りになった。

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広大な八幡製鉄所の跡地につくられた北九州イノベーションギャラリー、いのちのたび博物館の見学は、どちらも面白かった。イノベーションギャラリーでは、鉄と自動車がどのように生産されるか、製鉄の町として栄えた北九州市の発展の歴史とともに紹介するシアター見学が印象的だった(映像はちと古いが)。鉄鉱石の運搬シーンや溶鉱炉で赤く溶け出した鉄の様子を感慨深げに見て「マイクラやな〜」とつぶやいていた息子。レジンを使ったキーホルダー作りも、完成したときは達成感いっぱいの顔をしていた。いのちのたび博物館は、展示のひとつひとつがダイナミックで、午後だけでは回りきれないほど充実の内容でだった。またゆっくり行きたい。

あっというまの2日間のスプリングスクール参加だった。

もともとは民間のアフタースクールである TECH PARK。これが京都にもあったなら、息子に通わせたい、そう心から思った。

子どもの「遊びたい気持ち」に寄り添い、あくまで「生活の場」であることにこだわってつくられた設備や考え抜かれたプログラム。そしてスタッフの方たちの前向きで愛情のこもった対応。たった二日間だったけれど、良質な施設であることをひしひしと感じた。

今回、私たちを受け入れてくれた佐々木久美子さんと彼女が率いるグルーヴノーツのスタッフの皆さんは、それぞれに自分の「得意」を仕事で生かしながらイキイキと働いておられた。

テクノロジー企業といってもたくさんの業種、たくさんの分野があるが、「テクノロジーの魅力を子どもたちに伝える」ことを、事業のひとつにする企業はなかなかない。

まだ小規模だし、福岡のみの単独の施設だが、いつかグルーヴノーツの手がけるアフタースクールが全国各地に出来て、たくさんのTECH PARK 出身の子たちが社会で活躍する日がきたらいいな、なんて思った今回の滞在だった。

最後に、急なお願いにもかかわらず、私たちの参加を受け入れてくださった TECH PARK スタッフの皆さんに心よりお礼申し上げます。

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(写真左でバンザイしてるのがグルーヴノーツ会長の佐々木久美子さん、右でブラインドを開けてるのが社長の最首英裕さん、お世話になりました!)

8才の息子とテクノロジーにふれる旅に出る

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明日から3泊、福岡へ息子と旅に出る。

思い立ったのが先週なので、電撃旅行計画だ。

目的は、福岡にある TECH PARK KIDS(テックパークキッズ)という民間のアフタースクール(学童保育施設)が開催するスプリングスクールに参加すること。

テックパークキッズは、子どもたちにテクノロジーの楽しさを経験させることを理念に掲げたユニークな学童だ。

はてな時代に知り合って以来、親しくお付き合いしている友人のみーさんこと佐々木久美子さんが会長の株式会社グルーヴノーツが運営していて、昨年オープンしたてのフレッシュな施設だ。ビジネスマンで賑わう天神地区のオフィス街にある(らしい)。

みーさんは、テクノロジーベンチャーの創業者らしい自由な発想と実行力の持ち主で、現在の会社をいちから立ち上げ、成長させてきた行動の人である。

その言動を目の当たりにするたび、過去に一人で人力検索の仕組みを思い立ち、数々のウェブサービスを思い付いてはサービス化し、「変な会社」の礎を築いたかつての夫と重なる(みーさん、褒めてます)。あぁ、こういう人が起業家なんだなあと実感すると共に、創業時の大変さを懐かしく思う。

話はそれたが、会うたびにみーさんは「テクノロジーを社会の問題解決に生かしたい」「子どもたちにテクノロジーの魅力にたくさんふれさせたい」と熱く語っている。その思いを形にしたのが、テックパークキッズだ。

www.techpark.jp

www.techpark.jp

ちなみに一般人のためのTECH PARK MAKERS(テックパークメイカーズ)と併設されていて、3Dプリンタなどを用いた「ものづくり」のワークショップなどもよく開催されているそうだ。こちらも面白そう。

www.techpark.jp

この春、小学3年になる息子は、ゲームが死ぬほど好きで、去年の春に買ったマインクラフトは今でも毎日のように建築に励んでおり、他にもスプラトゥーンマリオメーカー太鼓の達人など、YouTubeから新しい遊び方やTipsを仕入れては試し、試してはまた情報を追いかけるの繰り返しで、のめり込んでいる。

放っておくと一日中ゲームとスマホに向かい続けるので、頃合いを見計らっては家の外に放牧して、公園や京都御苑や鴨川で遊ばせていて、おかげで外遊びも大好きだ。しかし、やはり自分の得意はゲームと自負しており、ゲーム愛が尋常ではない。

そんな息子とふたり、せっかくの春休みなので旅にでも出ようかと考えたが、ありきたりな旅行では満足してくれないことは自明なので、ならば彼が家では味わえないテック体験ができて、私にとっても尊敬する友人に会えるTECH PARK KIDSへの旅に出よう、ということになったのだった。受け入れてくださる現地の方々に感謝。

息子がスプリングスクールに参加する間、私は、スタッフの方に許可をもらって見学させてもらったり、博多観光に出ることを考えている。

息子とうまく距離を取りながら、彼の新しい体験を見守り、その他の時間はふたりで博多の公園めぐりをしたいと思っている。昔、親戚が住んでいたという大濠公園あたりも、そろそろ桜が咲いているんじゃないかなあ。期待。

そんなわけで、明日から行ってきます。

(写真はTECH PARK KIDSのサイトからお借りしています)

りんごが無くなり冬が終わった

 

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締めくくりはPPAPだった。

大学の送別会で20人分の料理を作り、ウケをねらってりんごとパイナップルと棒状のクッキーをチーズケーキの上にあしらったPPAPケーキと称するデザートを作ったのだった。

大学の研究者のことだからピコ太郎を知らない人もいるに違いない、と踏んだら案の定当たって、

PPAP?なにそれ?IAAP(国際分析心理学会の略)なら知ってる」

「ええっ、PPAP知らないんですか?」

といった会話があちこちで聞こえ、ほくそ笑んだ。おかたいアカデミックのパーティで私ができるささやかな演出だ。

前置きがながくなったが、やっと、やっと我が家からりんごが無くなった!

この秋冬は、宅配の定期注文を思いきりミスって毎週のようにりんごが届き、りんごに追われまくった日々だった。

火曜日ごとにりんごが箱で到来し、夢にりんごが出てきそうな勢いだった。一時は iPhone のりんごマークが目に入っただけで憂鬱になるほど、りんご消費へのプレッシャーにさいなまれた。

一個たりともりんごを腐らせぬため、様々なお菓子にした。

役立ったのは、ドイツ料理専門家の門倉タニアさんの本やりんご専門のレシピ本。質実剛健なドイツの素朴なお菓子にはりんごが多用されていて、参考になった。

 

何度でも食べたくなる、わが家のレシピ ドイツの焼き菓子

何度でも食べたくなる、わが家のレシピ ドイツの焼き菓子

 

 

りんごのお菓子 (エイムック 2712 ei cooking)

りんごのお菓子 (エイムック 2712 ei cooking)

 

 

あと、ここには写真がないけどサラダだけでなく豚肉料理にもりんごを活用した。美味しいのはポットロースト。厚手の鍋で豚かたまり肉を焼き、りんごと玉ねぎなどの香味野菜を加えて白ワインかブランデーをふり入れて塩胡椒とローリエと共に蓋をして弱火で1時間ほど煮込む。いかにも冬の西洋田舎料理だ。

それから息子がインフルエンザになったときは、すりおろしりんごが大活躍だった。

以前に元夫の家に滞在していたとき、お腹をこわした息子に(元夫の現在の)奥さんがすりおろしりんごを食べさせてくれたらしく「あのすりおろしりんごがいいー」と病床の息子からねだられ、以来、うちでも体調の悪いときはすりおろしりんごが活躍するようになった。

ほかにもれんこんの塩いためやポテトフライなど、あちらの手料理をこちらでねだられて、そのままうちの味になる現象が多発している。また逆もあるようで、母の味と義母の味が混在する息子の「食歴」はずいぶんと多様で複雑なものになりそうだ。

家で食べる以外にも、たくさんの人にりんごのお菓子を作って贈った。りんごが嫌いな人や食べられない人はまずいない。低コストだけど喜ばれるお持たせになった。

消費するのに大変だったが、旬の果物をたくさん工夫して食べたことは、季節と共に暮らす人間の原点に近付けたようで結果的に良かった。

最後に、誰でも作れる煮りんごの作り方をご紹介。

りんごを好みの大きさにカットする。ふだん食べる大きさのまま煮たら、そのままデザートに出来るし、小さいくし形にすればヨーグルトのお供やケーキの材料になる。鍋にりんごを入れ、好みの量の砂糖をふり入れる。あっさりが良いならりんご一個に対して大さじ2〜3杯ぐらい。あればブランデーやラム酒、レモン汁などをふりかけてザッと混ぜて中火にかけ、水分が出てきたら弱火でコトコト、りんごがクタッと半透明になる程度まで煮る。

冷蔵庫で冷やしていただくと美味しい。1週間は持つ。砂糖が多ければもっと保存出来る。

そういえば、息子が初めて口にした固形物もりんごだった。夢中でかじって、そのあと盛大に軟便が出た(失礼)。

以下、成果の一部をアッピール!主にりんごスイーツ写真だよ。

 

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消えたプリント

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ヤマちゃんは息子の同級生で、うちのマンションから徒歩2分の町家に住んでいる。

息子はしっかりもののヤマちゃんが好きで、しょっちゅううちに連れてきて2人でマインクラフトをやっている。

月曜日、「ヤマちゃん、インフルになったんやって。金曜日までお休み」と言って帰ってきた。

そして今日の夕方、ヤマちゃんのお母さんからうちに電話がかかってきた。

「あっ、ヤマちゃんのお母さん!ヤマちゃん、大丈夫ですか?」

「もうすっかり元気になってます〜。ところで…」

「はいはいどうされましたか?」

「B先生(担任)が、うちの子のプリントや学校からの手紙をトキくんに届けてもらうよう渡してくれたと言うてはるんですが、持ってはりますか?」

ダイニングで宿題をしていた息子に聞いたら、「ん〜、届けた」とナマ返事をする。しかしヤマちゃんちは受け取ってないという。

さらに詳しく聞いたら、「ん〜、ポストに入れた」と言う。

ヤマちゃんちによると、郵便受けには入ってないという。

さらに問いつめたら、「ん〜、あの、学校から帰る途中にある、赤いのに入れた」という。ええっ!!

「えっと、郵便ポストに入れたってこと?あの、道に立ってる赤いポスト?」

「うん…」

「な、なんでやの?」

「ん〜、だってB先生が、『ポストに入れてくれたらええよ』ってゆうたし…」

受話器の向こうからは、ヤマちゃんのお母さんがむせび笑う声が聞こえてくる。

「すいません…担任の先生にはこちらから伝えます!」

「いえいえ、うちの方から言っときますわ〜。手紙ゆうてもたいしたもんはないと思いますし」

互いに笑いをこらえながら、電話を切った。

学校からのお便りを郵便ポストへ…。

たしかに家の軒先にあるのは「郵便受け」であって、「ポスト」ではない。

その後、学校に電話をかけて担任の先生に謝ったところ、「いえいえ、私の伝え方が悪かったんです。インフルエンザに感染したらあかんと思って『手渡しにせんとポストに入れてね』とお願いしたんですけど、たしかにポストゆうたら誤解しはりますね…」と、詫びられた。

肝心の手紙は封筒に小学校名が入っているので、おそらく戻してもらえるだろう、とのことだった。郵便局にはこちらから連絡します、と言ったが、先生が手配してくれるという。申し訳ない…。

当の息子は、思わぬ展開にポカンとし、少し涙ぐんでしまったが、「トッキーは悪くないよ。先生の言うとおりにポストに入れたもんね」という私の言葉にホッとし、宿題に戻った。

私はといえば、こちらの常識を超えた息子の行動にあっけにとられつつも、しばらく笑いが止まらなかった。

もうすっかり大人顔負けの言動でエラそうにふるまうけど、社会性はぜんぜん身についてないんだなあ。

だからこそ、大人は丁寧に、子どもに物事を教えていかなきゃならない。

思わぬ出来事で子どもの無垢なところにふれた夕暮れ時だった。

いや、ヤマちゃんには申し訳ないんだけど…。あ、担任の先生にも郵便局の人にも…すみませんでした。

写真は、昼間に焼いたポークソテー。出町柳商店街の肉屋さんで買った豚ロース、臭みがなくて美味しい。

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インフルエンザと病床におけるウェブ生活

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先々週の木曜の夜、薄着が平気な息子がトレーナーを着込んで「さむいさむい」と言い出した。熱を測ったら、39度だった。

息子は小2の現在に至るまで、学校を1日も欠席したことがない。「この調子で皆勤賞を目指そうぜ」と(私だけが)張り切っていたので、「あ、これはヤバイな」と嫌な予感がした。

案の定、翌日になっても熱は下がらず、学校を休んだ。ガラガラガラ(皆勤賞の夢がついえた瞬間)。息子は特にショックを受けることもなく、むしろホッとした様子だった。意外と皆勤賞のプレッシャーがあったのかもしれない。いや、ただ熱でぼぉっとしていたのかもしれない。

気を取り直し、病院に行って検査を受けた。「お母さん、インフルA型ですわ〜」と予想通りの宣告を受け、タミフルと解熱剤をもらって帰宅した。

結局、息子の熱は2日で下がり、残りの3日は家のなかで元気に遊んで過ごした。

放っておいたらYouTubeWii Uざんまいになりかねないので、「デジタルものを1時間遊んだら次はアナログで1時間遊ぶ」、というルールで過ごした。

これが意外にヒットで、デジタルタイムは太鼓の達人やマインクラフトにいそしみ、アナログタイムには段ボール箱でチェストを作ったり、ボーリングをしたり、四目並べ(よんもくならべ)をして盛り上がった。

ちなみに四目並べは、木でできた縦型のフレームに色ちがいの駒を落として先に4つ並べた方が勝ち、という簡易版のオセロのようなおもちゃだが、これが奥深くて面白く、大人対子供でもじゅうぶん楽しめる(「木製 四目並べ」などでサーチしてみてください)。

普段は友達との遊びに干渉しない私も、ここぞとばかりに息子の遊び相手になった。すると、反抗的な態度が見事に引っ込んで、いい子になったのには驚いた。

学童保育施設で働く姉が、「子供は遊んでくれる大人の言うことは聞くのよ〜。ガミガミ言うだけの大人の言うことは聞かないのよ〜」と言っていた意味がよくわかった。ちなみに姉は、学童施設で小学生と一緒に一輪車にまで乗って遊ぶ、ノリのいい先生として子供の尊敬を集めているらしい。

息子の熱が下がって2日経った夜、私の身体に悪寒が走った。どうやら息子のインフルをしっかりもらったようだ。

おそろしい悪寒とだるさにおそわれているのだが、熱はない。どうやら予防接種を受けているから、高熱にならないようだ。

息子に留守番をさせて病院に行ったら、「うつりましたなあ〜お母さん」と先生。

学校の出席規定があるため、あと1日、息子は学校を休まねばならない。急きょ、近所に住むお父さん宅にお願いをして、息子の世話を引き受けてもらった。ありがたい、ありがたい。

そんなわけで、息子がいなくなった静かな部屋で、今度は私の闘病生活が始まった。依然として熱は上がらず36度台後半をさまようも、身体のしんどさは半端なく、ただひたすら24時間、眠り続けた。

その後、悪寒が徐々に減って、翌日には横になりながらiPhoneを眺めて過ごせるようになった。

そこで気がついたのは、「スマホがあれば寝たきり生活が全く暇ではない!」ということだった。

眠って、めざめて、布団の脇のスマホに手を伸ばす。

メールをチェックする、Facebookを眺めて、いいね!やコメントをする、時には投稿する、続いてinstagram、さらにTwitter、ついでにPathも見て、これでほとんどの知り合いの動向をチェックできたことになる。それからブラウザを立ち上げて、はてなブックマークと各種ニュースサイトを見る。

ひととおりこれらの閲覧作業を進め、またFacebookからのフローに戻ると、情報がアップデートされている。そんなこんなで二巡、三巡していたら余裕で時間は過ぎていく。

その間、LINEでたくさんの友人からお見舞いのメッセージが届いて、やりとりをする。中には、LINEで私のインフルを知って、夕食のおでんを差し入れてくれた友もいた。しみしみの餅きんちゃくと大根が美味しかった...。そしてまたLINEで感想とお礼を述べる。それをFacebookに投稿し...いいねが付き....。

おそるべし、ワールドワイドウェブ!インターネット!

そんな風に、病床でウェブにどっぷり浸かって時間つぶしをし続けて思ったのは、長いふとん生活でも、まったく退屈しなかった、ということだ。

もし自分が老人になって寝たきりになったとしても、この調子でスマホを眺め続けていたら、寝たきりもまんざらではないのかもしれない。

身体を動かすのはしんどい。でもふとんに転がりながらネットにつながって、人々の動向を追い続け、時にコミュニケーションを楽しむ。寂しくないし、飽きないし、世の中の動向にも疎くならない。

いま、ウェブに常時張り付きながら生活している身近な知人や若い人たちが、将来、老人になったとき、みんな、こんな風にして過ごすのだろうかと思うと、どんな潮流がウェブの世界にあらわれてくるのか、興味深い。

多くの人々が、寝たきりのふとんでスマホを握りしめ、TwitterFacebookでつぶやき続けるようになったとしたら、私の眺めるSNSはどんな風景になるのだろうか。

遺書や親しい人へのお礼の言葉をFacebookに投稿し、死に際の言葉をTwitterで発し、ブログには人生の思い出をしたためる。

そのときにはもっと病床でのネットライフが快適になるデバイスが普及しているのかもしれない。

終末期、ウェブサービスのアカウントを整理することが最も重要な作業になりそうだ。いまのうちに、登録アカウントのリストをしっかり保存しておくべきかもしれない。

そんな、「老いたあかつきのウェブ」を想像したインフルエンザの病床だった。

写真は差し入れのいちご。予想に反してかいがいしく私を解放してくれたパートナーに感謝。エアコンフィルター掃除もしてくれるので、ありがたい。