毎日新聞に Voice4u アプリの開発ストーリーが紹介されました

昨年7月、Voice4u株式会社を設立してから一年が経過し、右往左往しながらもビジネスの世界で楽しく過ごしています。

さて、Voice4uという社名の由来でもあるアメリカメンバーの二人が産んだアプリの名作「Voice4u」の開発ストーリーが7月20日付の毎日新聞夕刊に掲載されました。

下記のブログに毎日新聞の許可をいただいて全文掲載していますので、よかったらご覧ください。

voice4uaac.com

 

ディズニー、NASAを顧客に持つ「イケてる鉄工所」宇治の HILLTOP がすごかった

お久しぶりです。アメリカの仲間2人と Voice4u を立ち上げてから約1年が経ちました。おかげさまで1期目から黒字で乗り切りました。はてな創業時からお世話になっている税理士のイコールさんからも「いい感じですね」とお褒めいただき、ますます頑張ろうと思っています。

現在の仕事は、デジタル活用を推進したい企業さん向けのコンサルティングをおこないながら、自社の新サービス開発のためのリサーチ、ネットワーキングを進めています。京都リサーチパークにある京都高度技術研究所のシェアオフィスを拠点にしているおかげで、様々なイベントや勉強会に参加する機会が得られ、京都のビジネス界隈のことが少しずつ分かってきました。

で、タイトルの件ですが、京都高度技術研究所の更田さんというめちゃくちゃ顔が広くて面白くて行動力のある創業支援のエキスパートに誘っていただき、宇治市にある HILLTOP(ヒルトップ) という会社の見学会にお邪魔してきました。

HILLTOPは、元々はよくある町の鉄工所で自動車メーカーの孫請け会社だったのですが、現経営者が一念発起して「多品種単品目のアルミ加工メーカー」に転身。テクノロジーを駆使して24時間無人加工の生産システムを確立。ハイクオリティな一点ものアルミ加工品をハイスピードで生産する企業として、今やディズニーやNASA、Uberと取引する企業に成長させました。

そのあたりのお話は、下記のインタビューに詳しく紹介されているのでぜひ読んでみてください。

diamond.jp

https://diamond.jp/articles/-/174647

で、会社見学をしたら、それがすこぶる面白かったです。というのも、私の古巣であるところの「はてな」に会社の理念、雰囲気、スタイルがとてもよく似ていて、見学しているだけで懐かしいようなワクワクするような不思議な気持ちに包まれたからです。

京都市内から南方面へ国道を走って宇治市の郊外へ。会社の敷地に近付くと、味気ない工場ばかりの地域の中でひときわ目立つカラーと形状の建物。

中に入るとカフェテリア風の社員食堂があり、美しい宇治の景色を一望しながらランチや打ち合わせができます。社員のランチは半額が会社負担。

社員さんのほとんどがTシャツ姿で、とにかく若い人が多い!オープンでおしゃれなオフィスは、ウェブ企業さながら。みなさん、ニコニコ笑いながら、会話しながら、楽しそうに仕事されていました。

で、会社のユニークな生産システムですが、現在、アルミ切削加工品の8割以上が一点ものの生産で、加工に必要な技術のノウハウを全てソフトウェアにインプットし、生産プログラムと素材を加工機にセットして夜間に自動で生産させることで、驚異的なまでに効率化された生産システムを確立したそうです。

例えばアルミの切削加工は職人の手による削りの技術に頼っているのが一般的ですが、ここでは使用する刃物の特性を全てデータ化し、PC上で切削工程をシミュレーションすることで、加工を再現するそうです。このシミュレーションソフトを使ってエラーが出なければ無人加工の本番工程に回し、社員が朝出勤すると製品があらかたできていて、仕上げと品質チェックに回すことができるという仕組みになっているそうです。

そのソフトの操作は入社してすぐの社員でも、ほぼ3ヶ月で扱えるようになるとのことで、古いやり方だと5年は下積み経験が必要なところが、汗もかかず手を汚すこともなく、ノウハウを習得することができるそうです。

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工場内もお洒落!!(写真は @hilltop_corp さんのinstagramより)

同じ仕組みがアメリカのカリフォルニアにもあって、アメリカの無人生産システムに日本から指令を送ることで、データ転送のみで現地生産が可能になる仕組みが出来上がっています。

他にも現在は、アルミ切削加工品にこだわらず、「こんなもの作れませんか?」という要望に対してプロダクトデザイナーとエンジニアが知恵と技術を使ってなんでも試作し、そのまま生産までやってのける部門もあり、そちらも収益が増え続けているそうです。

このような HILLTOP の新しいものづくりシステムについてお話を聞いて、思ったのは、業務の効率化や就労環境づくりの取り組み方が「はてなっぽいー」というところでした。

それがどういう点かというと、

  • 既存の仕組み、慣習にとらわれず、可能な限り合理性を追求する
  • 新しいテクノロジーを果敢に取り入れることで先進性を保つ
  • 「自動化は善」という信念のもとに徹底的にオートメーション化に取り組む
  • 「スピードは正義」という信念のもとに取り組んだオートメーションが差別化と高利益を産む
  • 社内の情報共有が公平と自由と風通しの良さを産む
  • 「楽しさ」「遊び心」を活かしたオフィス環境が若き働き手の心をつかむ
  • 行き交う人の笑顔、ワクワク感が社内外に伝搬する

というところかなと思いました。 

経営者の方が「夢の工場を作る」と社員に常に夢を語り、それを具体的に実現させたこともすごいですが、社員が楽しく働ける環境を形にしていることが良いですね。

以下の本を読むと、HILLTOPさんの会社づくりの具体的なお話が分かりますので、興味のある方は是非読んでみてください。

ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所

ディズニー、NASAが認めた 遊ぶ鉄工所

 

 

食洗機はたのもしい相棒あるいは部下

はてなブックマークのトップでたまたま目にしたこの記事。

食洗機を購入するかどうか悩んでおられるようです。

anond.hatelabo.jp

いろんな人の意見を聞いて、きちんと家の事情を読者に伝えつつ、「妻が欲しいを言ったものを買わなかったことってあまりないので、結局は買うことになりそう(原文ママ)」と言われているので、大変好感が持てますね。

ちなみに我が家は最近、同居人増加に伴い引っ越しをしましたが、真っ先に購入設置したのが食洗機でした。

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購入したのは、パナソニックのこちら。 

買った理由としては、料理を作って食べるのが好きなのに、食べた後に食器を洗うのが面倒で仕方がない、というシンプルなもの。

飲んで食べて良い気分になったあとで、シンクに溜まったお皿を見るとげんなりしますよね。放っておいて寝たら翌朝、さらにげんなり度数が倍増するし。

そんな訳で、新居に引っ越す前から注文し、大工さんに頼んで新たに取り付けたキッチンの横に食洗機専用の台を作ってもらい、設置しました。

稼働し始めて一週間ですが、とっても良いです。何が良いって、時間の節約とかそういう単純な理由ではなく、「自分の家事のたのもしい相棒ができた」ってこと。

家事って孤独なんですよね。やってる時は一人だし、特にお皿洗いって黙々とシンクに向かってやる訳で、もちろんその間にオーディオブックを聞いたり、相方とお喋りすることもあるけど、基本的に孤独。

だから、全て自動ではなくても、汚れた皿をお湯でさっとゆすいでセットして、「あとは任せたよ!」ってスイッチを押すと、「ガッテン承知の助!」とばかりにグオングオンと仕事を始めてくれる食洗機くんの様子を見るだけで、そこはかとない満足感と「一人じゃない」という安心感が得られるのです。

そういえば最近、こういうツイートを見かけて、ものすごく言い得て妙というか腑に落ちました。

そうなんですよ。家事のたのもしい相棒、というか部下なんですよね。完璧に任せられるというよりは、こちらの采配次第でしっかり仕事をしてくれる部下、という感じ。

増田の人は、食器洗いがお好きということですが、自分がいない時に奥さんを支えてくれる部下を雇うつもりで、ぜひ導入してほしいものです。

勝間和代さんと増原ひろこさん

早いもので5月も中旬に!GW明けの週、京都は気候もよく気持ちよく仕事を再開できました。

9日は、経済評論家の勝間和代さんとLGBTアクティビストの増原ひろこさんの講演会で司会進行を務めさせていただきました。

イベントは、京都リサーチパークさんと、はてな時代からお世話になっている税理士のイコールさんが運営されている士業の集まり「ふくろう倶楽部」さんの主催によるもの。

勝間さんとお目にかかるのは初めて。想像の10倍以上のエネルギーを発しておられ、そのトークの速さや内容からして頭の回転スピードが常人を大きく超えていることがアリアリと分かりました。いや〜すごかった。

今年発売された書籍 勝間式超コントロール思考 にちなんだ講演でしたが、私自身が興味を持った内容は、

  • 自分の有限なリソースをどこに分配するかに知恵を絞ろう
  • 人間の意思は弱い、だからこそ環境が大事
  • 生きるのが辛かったら自分にふりかかる問題を取り除く。あるいは問題設定を変える
  • 知識は力。人生の選択肢を増やすために勉強する
  • ひたすら先人の知恵を借りよう
  • 知識はコントロールの幅を広げる!

というものでした。

自分のリソースをコントロールする必要性については、私が起業したのもシングルマザーとしてあまりに時間がないので会社に8時間もいるような働き方は無理!と判断したので、非常に腑に落ちる内容でした。

でも正社員として働かないならパートで、というのでは十分なお金が入ってこない。すると自分で何かをするのがベストということになるんですね。それには別のしんどさもあるけど、日々、勉強と人とのつながりが手ごたえと喜びにつながっています。

勝間さんは合理性と快適性を追求する達人であり、さらに人とのつながり、人との調和も大事にするバランス感覚がすごいなあと、終了後にお話しして感嘆しました。彼女にはなれないけど、彼女のノウハウから学び実践するのはとても有益です。

増原ひろこさんは、渋谷区で初めて同性婚を受理され、さらに初めて離婚も受理されたという筋金入りのLGBTアクティビストですが、白いパンツスーツとロングヘアがよく似合う柔らかい物腰の奥に意思の強さを感じさせる素敵な方でした。

ぼんやりと知っていたLGBTに関する知識をわかりやすく紹介してくださった上に、企業がこれから取り組むべきLGBTやダイバーシティに関する課題をわかりやすく提示してくださいました。

印象に残ったのは、

  • LGBTは趣味の問題ではない。自分で変えようとしても変えられないものである
  • 体の性、心の性、好きになる相手の性、表現する性。この4つ(SOGI)の項目においてそれぞれ個人差がある
  • 企業がLGBTを理解することで、働く人は「働きづらさの解消」「心理的安全性の確保」を実現できる→働きやすい職場へ
  • 企業の取り組みは、採用や業務パフォーマンス向上、離職防止にもつながり、消費者に対するフレンドリー施策にもつながる

いま、LGBTは人口の8.9%といわれているそうです。LGBTに関わらず、どんな人も生きやすい世の中になるのが理想ですから、こうしてLGBT対応のノウハウが企業や自治体にも浸透していくのは良いことですね。

増原さんは、京都を拠点に活動されていますので、関西での活躍にも期待したいですし、私ももっと学ばせていただきたいです。参考書籍はこちら。

ダイバーシティ経営とLGBT対応 (ビジネス+IT BOOKS)

ちなみに講演会の日のお昼に、お二人は、はてなでランチを食べられたそう。懐かしいメンバーの顔が!!

katsumakazuyo.hatenablog.com

初代まかないシェフとしては嬉しいかぎりです。今も同じようなヘルシーさをキープしていて良い感じです。今はどんな環境で調理されているのかが気になる。当時は小さなワンルームのキッチンで作ってて大変だったので。笑

東京大学入学式の祝辞を読んで

東京大学の入学式に寄せた上野千鶴子さんによる祝辞は、祝辞とは思えない内容だった。

平成31年度東京大学学部入学式 祝辞 | 東京大学

話は変わって、今日、高熱の息子を看病しながら、先週、Amazonマーケットプレイスで買った『「No」と言える日本』(石原慎太郎、盛田昭夫/1989年出版)を読んだ。

当時、この本を手にした人が、30年後の東大入学式でこのような祝辞が寄せられるとは想像しなかっただろう。

本の中で、石原氏は当時世界一だった日本の半導体分野での隆盛に触れて、日本は国際舞台でもっと自分たちのポテンシャルを自覚し強くあらねばならない、と主張していた。そしてその後、半導体分野はアメリカや韓国に抜かれて衰退した。

平成は経済において敗北の時代だったという人もいる。

もちろん30年前の価値観や当時設定した目標からすれば敗北なのかもしれないが、あくまで過去のNo.1を栄光だと思いながら生きる人たちの考えであり、今の若者からすれば「知ったこっちゃない」ことだ。

本を読んだ後に、冒頭の祝辞が話題になっているのを知って読んだのだが、本の読後感と入り混じって妙な気分になった。

医大の不正合格問題も、日本企業の働きにくい職場環境も、生きにくいと言われる社会も、入学式で席に座った若者たちに責任はなく、これまでに社会を作り上げてきた人たちによるものだ。

厳しい祝辞の内容は、18歳の若者たちだけが受け取るべきではなく、このような社会を作った、構造を作った大人たちこそが真摯に受け止めなければならないものだ。

上野さんは、祝辞というカードを使って、次代を担う東大生たちに投げかけたのだろう。大人の作った当たり前に乗っかるのではなく、大人の作ったシステムの矛盾を突いて、公正な目で、正しい社会のあり方をあなたたちが作って欲しい、と。

いま、Noと言わなければならない対象は、アメリカではなく、日本社会が作り上げた歪んだ価値観と多くの古いシステムだ。

この文章を読んだ私自身も若くはないけれど、社会の一員である以上、自分の持ち場で、持ち分で、古い価値観を壊し、次世代の人たちが少しでも生きやすいと思える社会を作っていきたい。

日本はいま、傷つきながら前進しているのだ。