シェリー 純愛 サングリア

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昨夜は、まみたと晩ご飯。寺町二条のスペイン料理、アントニオで。墨で描いたようなピカソリトグラフが目をひく白壁のインテリアが美しい店。ニンニクがたっぷり効いたタパス料理やパエリアが美味しい。食前酒のシェリー、グラスワイン、赤ワイン、サングリア、食後酒のオレンジリキュールまでひたすら飲んで、ひたすら話した。まみたは色んなトピックの度に笑ったり綺麗な涙を流して私の話に耳を傾け、誠実に返してくれた。
7時に入店して、店を出たときは0時をまわっていた。4時間たっぷり話したそのディテールは書かないけれど、名付けるならばテーマは純愛。そして出した結論は、しごくシンプルなものだった。ただ心から好きな人といて、好きなことをして、常識や周囲の余計な声にとらわれず、人生を愉しめばいい、ということ。心が求めるなら、求めのままに動けばいい。短い女の人生なのだから。
社会にはたくさんのルールがあって規範があってシステムがあるよね。それらにとらわれていないつもりでも、見えない矯正金具がいつのまにか自分を締め上げていて、身動きできなくなっている。暗黙のルールに反すれば、責めの声が自分を襲う。それは外からのようで実は内側からだったりする。抑圧しているのは周囲ではなく自分なのだと気付くのには時間がかかる。月並みな言い方だけど、自由であるにはタフで柔軟でなければならないってこと。
彼女は自分に正直で、極端な強さと弱さをあわせ持っているから生きるのが辛いんだ。それは私もおんなじで。だけど何も悪くない。もっと自分を愛して自分の今に諸手をあげてYes!!と叫べばいいんだよ。
店を出るとき、シェフのアントニオが雨のなか御幸町の角を曲がるまで見送ってくれた。春からはご近所さんだ。これから贔屓の店にしたい。
北に歩くつもりが、つい新京極を南に下って、いつものバーに向かった。路面清掃車が上げる蒸気を眺めながらヒールをならしてアーケードを歩いていたら、せつなさとぬくもりが心を浸した。今なら死んでもいい、なんて考えながら先を急いだ。