復帰第一弾、思いがけない再会

f:id:reikon:20120819015928j:plain:w220:right6月から仕事をさせてもらっているセンターでの大きな講演会の仕事を終えました。

「こころの広場」という京都府との共同企画で開催したイベントで、生物人類学者の内田亮子さんと脳科学者の入来篤史さんに講演いただき、私は司会進行をつとめました。

「進化の時空間で人間性について考える」という内田さんのお話は、数百万年の流れのなかで人類がいかに進化し、その過程でどのように人間特有の「らしさ」や文化、社会性が育まれてきたかを、これでもかという量の研究事例をもとに発表されて、とても刺激的でした。

「こころはどこに宿るのか?:身体と文化の狭間で」という入来さんのお話は、人の活動を制御する高度な情報システムである脳の仕組みについて、サルへの実験から得た研究成果や多彩な事例をもとに解説され、脳の働きがいかに人の「こころ」をなりたたせ、人の社会活動から生まれた文化とどう影響しあっているかをダイナミックに語られていました。

...などと書いてはいるものの、私が理解できた内容はごくわずかだったので、このように紹介するのが恥ずかしいくらいです。けれど、今この世に生きる私が、長い人類や生物の進化の過程にある一員であり、未知の可能性を持つ脳というものを携えているという、これまでの自分にはなかった見方を得られ、あらためて「知らないことを知る」ことの面白さすばらしさを実感したのでした。

そして、私にとっては司会の仕事の本格的な復帰第一弾。イベントならではのバタバタはありましたが、無事に終了させることができました。

思えば披露宴やスポーツイベントなどを中心にマイクを持って活動していたのが今から10数年前のこと。もうすっかり錆び付いてしまっていた自分の司会の技術。それを3月からのレッスンでなんとか錆をこすり落として今日に挑みました。結果、大きなトラブルもなく、時間内で無事に終了させることができました。

しかしアカデミックな講演会というのは、単にスムーズに進行させるだけでなく、講演者の話の内容を受けてうまく討論をまとめたり発展させたりする司会者自身の知識や技量が必要で、にわかじこみの私が到底うまくこなせるものではない、ということも痛いほど思い知らされました。

大学でおこなわれるシンポジウムやセミナー、学会、研究会などではほとんど研究者が司会をしている理由がよく分かりました。この点は、私にとって大きな課題であり、限界を感じながらも、どうにかしていきたいと思っているところです。

今回の私の未熟な進行に対して非情に協力的に、気持ちよく、場をまとめてくださった先生方、とりわけ入来先生には感謝してもしきれません。

もうひとつ、とても驚いた出来事がありました。

会が終了した後、声をかけてくれた京都府の文化事業担当者が、なんと私が十数年前に自転車業界で仕事をしていたときにお世話になっていた京都府自転車競技連盟の矢野さんでした。

長い年月を経て、別の場所で再会したことに驚くと共に、マイクを手にして活動を始めたとたんに、かつてお世話になった方と再び新たなつながりを持てたことに感激しています。

司会業に関しては、この春から今日の復帰に焦点をあてて準備を進めてきましたので、なんとか再スタートが切れて、ほっとしています。

大変な世界に踏み込んで、また大変な仕事を再開してしまったなあ、という思いはありますが、やっぱり私はどんなジャンルであれ「イベント」が好きなんだなあと思います。

次はどんなところで、どんな出会いがあるだろう。

色んな人に感謝しながら、夜にあけたワインはしみじみと美味しいのでした。