この4平米のブースではてながスタートしたのだった

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今日はVoice4uが入居しているシェアオフィス( https://stc3.net/ )の会員交流会に参加。

30人ぐらいの様々な業種業態の人たちが集まって、5分程度のピッチ(プレゼン)をして、その後、ビールと美味しいご飯を囲んで交流をした。

そのなかに、どこか懐かしい顔の人がいた。絶対にこの人とは日常的に会っていたと確信できる人だった。

それもそのはず、交流が始まってすぐにご挨拶に行ったら、はてなが創業時に入居していた京都リサーチパークのインキュベーションブースの入居者の人だった。

その人の名はマスダさん。英語が堪能で、我々が人力検索はてなを始めたばかりでヒーコラする横で、流暢に英語を駆使して、リサーチャー的な仕事をして稼いでおられた。マスダさんのブースは私たちの三倍ぐらい面積があって「いいなあ、こんな部屋を独り占めして」と羨ましく思っていた。

マスダさんのほうも、2メートル×2メートルの簡素なパーテーションで区切られたブースに、jkondoとonishiと私がぎゅうぎゅうに入って仕事をする様子を興味深く観察しておられたようで、「いやぁ、あの頃は大変だったのに頑張ってたねえ」と感慨深げに振り返っておられた。

で、マスダさんがスマホを私に見せて、「あの狭いブース、君らがいたあと、2016年に取り壊されることになってね、記念に撮影しといたよ」といって、当時、私たちが入っていたブースの写真をプレゼントしてくれた。

そうそう、このブースでした!

二人しか座れないので、正面に見えているキャビネットを手前に出して、そこにPCを置いてjkondoが仕事をしていた。ここで人力検索はてなが誕生し、はてなアンテナが誕生した。

「たまに大きな怒鳴り声が聞こえたりしてね、それもハラハラしながら見ていたよ。でも立派に成長して、小さなブースから出世して嬉しかったよ。こんな形で、奥さんと再会できるとは、良いものだねえ」

と言ってもらった。

今から思えば穴に入りたくなるほど恥ずかしいはてなの創業期。税理士さんを招待して会議スペースで飲み会をし、朝まで廊下で転がって寝た、なんてこともあった。周囲の大人のみなさんに許してもらって、支えてもらって、成長できたと実感している。

そんな懐かしい話で盛り上がって交流の場を過ごし、帰宅してメールチェックをしたら、なんと人力検索はてなから「回答オープンのお知らせ」というメールが来ていたので、おったまげた。

いったいどこのどなたが回答をオープンしたのかはわからないが、創業時にがんばっていた人力検索の回答で、質問者が閲覧しなかったのを第三者がポイント支払いすることよって開く機能が実行されたようだ。

q.hatena.ne.jp

いやー、なつかしい。

ユングは集合的無意識を主張した心理学者だが、実際、そういうのがあるんじゃないかなあというほど、すごいタイミングの通知だった。だってもうここ何年も人力検索のことなんて忘れていたんだもの。

昔話で盛り上がるのは無粋だけど、たまにはいいものだ。

あの頃と同じように、またスタート地点に立てて幸せだ。はてなとは別物だけど、はてなでの経験を生かしながら、一歩ずつ進んでいけたらいいな。マスダさんや様々なビジネスの先輩がたに見守ってもらいながら。

登記完了!やる気はあるが夏休みなのでぼちぼちいこう

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おかげさまで、会社の登記手続きが無事に完了し、Voice4u(ボイスフォーユー)株式会社が誕生しました。

「設立日、いつにしましょうか?」

「覚えやすいアメリカ独立記念日にしよう!」

ということで、7月4日が設立日となりました。ぱちぱちぱち。

 

さて、私たちの事業の柱は、主に3つです。

  1. 既にアメリカでリリース済みの「Voice4u」アプリを拡張し、その技術を用いてさらなる次世代アプリを開発すること
  2. 超高齢化社会の日本で多くの人の幸せと尊厳を守るための新しいサービスを開発・提供すること
  3. アメリカで実績を上げている企業向けのデジタルマーケティング研修事業を発展させ、国内企業のデジタルマーケティング戦略のお手伝いをすること。具体的にはシリコンバレーでの研修とそのフォローアップ、データ解析を含めたマーケティング事業のサポート

これらの柱が決まったので、あとはひとつひとつの骨子とやるべきことを定めて進めていくのみです。ウェブサイトもSNSでの広報もこれからです。がんばらねばー。

とはいえ、私たちの前に大きく立ちはだかる壁がひとつ...。それは、

子どもの夏休み

です!!(初めてブログで文字色をいじったw)

アメリカも7月、8月はバケーション期間なのはさることながら、私にとっても息子の夏休みが来週から始まるので、はっきり言って大幅に戦力ダウンします。

育児中の人は分かりますよね。子どものいる休日は、ほぼ全てのエネルギーを子どもに奪い取られます。

子どもが遊ぶかたわらでPCに向かって仕事をするなど、とてもじゃないけど出来やしません。本当に、子どもたちは親からすべてのものを奪い取るからです。時間も愛情も全て。

しかもそれが夏休みですよ。単なる週末の休みじゃなくて、夏休み!

小4なので部活動もまだないし、多少お留守番はできても、子どもだけでプールや川遊びや遊園地や商店街に繰り出すこともできない。母親である私がいなくては、夏休みは成り立たない!!一体どうしたらー!?(汗)

実はそのこともあって、ここのところ会社を設立して意気揚々としていたのもつかの間、ふとした瞬間にブルーになる自分がいたんですよね。

本当に育児と起業、両立できるのか?お客さんからちゃんとお金をもらって事業を継続、成長させることができるのか?

そんな風にもんもんとしていたのですが、不安だったのは、一人で勝手にくよくよとしていたから。今日、skypeで今後の事業についてじっくりと三人で話し合ったら、雲が晴れるようにスッキリとしました。

というのも、ミーティングの最後に勇気を出して、二人に告げました。

「私、来週から戦力ダウンします」と。

そうしたら、アメリカの由美さんも聖さんもskypeごしに「もちろんOK!」「こっちもバケーション期間だし!」「そのために会社を作ったようなもんだから!」と、嬉しい言葉をたくさん投げかけてくれました。

起業のよいところは「仲間がいる」ことです。

とりわけ、うちの会社の場合は、すでにシリコンバレーで実績をあげている二人が主メンバーなので、心強いったらありません。

母親として小4の子どもと夏を謳歌しながら、日本の会社の立ち上げ期をがんばる。

至難の技ではありますが、どれも無理せず、時間を大事にしながらやっていこうと思います。

ということでこの夏は仕込みの期間ととらえ、熱く煮えたぎる気持ちは持ちつつ、仕事と育児、それぞれに楽しみながら進んでいきます。

ところで、CEOの由美さんは古くから(はてなダイアリー時代から!)はてなブログのユーザーさんです。

先日、嬉しいブログを書いてくれたので、ご紹介します。由美さん、ありがとう。

www.yumikubo.com

 

 

自分の時間を自分でマネジメントする

バタバタと過ごした一週間。疲れがマックスだったので、週末は日常から少しだけ離れて、比叡山をドライブしました。青空と夏の風に吹かれてぼーっと過ごしただけですが、すっかりリフレッシュできました。おかげで今週もがんばれそう。

さて、えらそうなタイトルなんですが、ほぼ日で公開されていた糸井重里さんと佐々木俊尚さんの対談を読んで、ああそうそう、そうなんだ!と、嬉しくなったので感想を書きます。

www.1101.com

詳細は読んでいただきたいのですが(とっても読みやすいです)、仕事との向き合い方について、お二人がそれぞれの持論を話しておられて、なるほどそうだよね、とうなずける宝物のような言葉が山盛りです。

はじめに私のことを書きますと、この春、大学勤務を終えて会社の創業メンバーになりましたが、そのもっとも大きな動機が「自分の時間を自分でマネジメントしたい」というものでした。

非常勤職員として勤めていた大学では、朝から夕方まで決められた時間は職場にいる、という契約でした。人に恵まれ、やりがいのある仕事でしたが、やっぱり自分で自分の時間をやりくりできる仕事が向いている、と思い、フリーになりました。そして今は、たったひとりの日本メンバーとして、アメリカにいる2人の仲間と共に会社の立ち上げに奔走しています。

こんな風に書くと、24時間、仕事のことを考えてバリバリ働いているように思われるかもしれませんが、実はそうではなくて、育児や趣味のスポーツ、地域ボランティアなど、これまでと変わらず他のことにも力を注いでいます。

ただ、仕事に関しては場所も時間も選ばず、やれるときにやりたいだけ、チョコマカとやっています。skypeもメールも書類づくりも、PCさえあればどこでもできますから。大学勤務時代とは全く対照的です。でも、1日でどれだけやっているかというと、実作業時間は3時間程度かもしれません。

上の対談記事には、それにちなんだことも話題になっていて、糸井さんも佐々木さんも「集中できるのは3〜4時間」と明言されています。でもその周辺の遊びの時間も大事なんだ、と。

大事なのは仕事に対して「主観的、主体的であること」「やらされてるのではなくやっていること」だと、それぞれが軽やかに語っておられます。

糸井さんはコピーライターから経営者、佐々木さんは新聞記者からジャーナリストとオリジナルな道を進んでいます。人並み外れた能力の持ち主だからと言ったらそれまでですが、ここで話されている内容は、サラリーマンでもフリーランスでも、どんな立場にいる人でも参考にできる「仕事に対する意識の持ち方」「自分の人生のマネジメントの仕方」へのアドバイスなんだと思います。

人にはそれぞれに向いている生き方があります。フリーでも経営者でもサラリーマンでも何でも、とにかく自分が「選んだ」という納得感を持って生きることが大事です。その納得感があってこそ、やりがいと幸福感につながるのだと思います。

「考えること」の大切さも、お二人は強調しています。考えて、形にして、考えて、動いて、考えて、止まって、また動いていく。その先に自分らしい生き方が出来上がっていくのです。