高齢化社会に生きる幸せ

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 日本女性の平均寿命は87歳になったそうだ。およそ70年前の昭和22年には53歳だったそうなので、ずいぶん人生が長くなった。

 両親を見ても、父が81歳、母が72歳で、ピンピンしている。父は毎日、2km離れた畑まで野菜づくりに行き、母は料理教室の先生や地域の活動で忙しくしている。

 私もずいぶんと年齢を重ねたが、平均寿命でいくと人生の折り返し地点を過ぎたところだ。信じられないが、順当にいけばあと半分近く生きる。

 げんなりしなくもないが、一方で、高齢化社会は悪くないのかも、と思う。

 若いうちはいろいろと失敗することが多く、生きるのが辛かった。

 けれど、たくさん経験を重ねるうちになんとなく「うまくやっていく」コツをつかみ、毎日がラクになってきた。

 苦手だった人付き合いも、うまくやれるようになった。いまだストレスを感じることは多いけれど、少なくとも周囲に迷惑をかけるようなことはしなくなった。

 思うに、人は成熟するスピードにかなり個体差があるのではないか。

 私はかなり遅いほうなのだ。そのおかげで30代の終わりまではしんどいことが多かった。

 精神的なゆとりが出てきた今、残りの人生は楽しく生きていける気がする。自分より若い世代に何かしてあげたい、という気持ちも芽生えてきた。

 今のところ健康体なので、しばらくはいろんなことが楽しめそうだ。仕事も趣味も恋愛も。

 若い人で今がしんどいという人には、「40歳ぐらいになったらラクになれるかもよ」と伝えたい。もちろんそれも個人差があるだろうけど。

 しんどい時代かもしれないが、終身雇用が一般的で、結婚も一度きりが常識で、インターネットもなかった頃より、ある意味いい時代になったのではないだろうか。

 「ちんちん!」「うんこ!」ばかり連発して、ゲームで負けてはキレまくっている8才の息子も、私のような未熟な親に育てられているおかげで、大人になるのが遅いかもしれない。

 でも彼なりのペースで、いろんなものにぶつかりながら、失敗を重ねながら、ゆっくり大人になってくれたらいい。何せ人生、長いのだから。

 

 写真は、今日焼いた練乳入りのミルキーパウンドケーキ。こちらのレシピ本から。

 

syunkonカフェごはん 5 (e-MOOK)

syunkonカフェごはん 5 (e-MOOK)

 

  人気No.1ブロガーのレシピ本というのを買ってみたら、子どもウケするメニューが多く、とても作りやすい。しばらくこの本のお世話になりそう。

 

8才の息子とテクノロジーにふれる旅をした

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3月29日から4月1日、三泊四日で福岡を旅してきた。

目的は出発前に書いたエントリーの通り。

reikon.hatenadiary.com

ちなみに、前回のブログでは TECH PARK KIDS という名前で紹介していたが、折しも私たちの滞在中の3/31に、名称が TECH PARK KIDS から TECH PARK へと変更された。隣接していたFab施設の一般向けのサービスを終了し、そのぶん、子ども向けの事業の一層の拡大に注力するそうだ。

www.techpark.jp

旅の初日、私と息子がお邪魔したときは、スプリングスクールの特別なメニューのひとつである「CM制作(協力:ソニーストア)」の終盤で、各グループで作ったCMの発表がおこなわれていた。自分たちが登場したコマーシャル動画を見ながら、笑いころげる子どもたち。カリキュラムが終わると、自分のノートPCをカバンに詰めて帰宅していく。初めて見る光景に、息子も驚きを隠せなかった様子。

二日目の3/30は、朝から会員の子どもたちと同じようにカリキュラムに参加。スプリングスクールでは、毎日ちがうメニューが提供されていて、その日は、「プログラミングでゲームやアートをつくろう」という日だった。午前中は、タイピング練習の時間が設けられ、その間に、先生が子どもたちのPCの設定やスキルをチェックし、午後からのプログラミングに備えていた。

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午後はふたつのレベルに分けられ、息子は初心者・低学年向けのグループに入り、ビスケットというビジュアルプログラミングを使ったゲームづくりに挑戦。すっかり場になじんだ息子は、仲良くなった子たちとふざけあうほどになった(ホッ)。ちょうど良いタイミングで席まで巡回してくれる先生の指導のもと、ビスケットの操作にも慣れ、後ろに座っていた私に見向きもしなくなった。そんなわけで、その場から解放された私が天神のお洒落スポットめぐりから戻った頃には、子どもたちのPC画面には色とりどりのシューティングゲームが出来上がっていた。

翌日の3/31は、TECH PARK の外に出て社会科見学へ。観光バスに乗り込んで、まる一日かけて 北九州イノベーションギャラリー と 北九州市立いのちのたび博物館 、ふたつの施設見学ツアーに参加した。その日の様子は、Facebookページで紹介されている。

www.facebook.com

道中、前日に仲良くなった友だちとバスの後方座席を陣取って、いま夢中になっているスプラトゥーンやマインクラフトや好きなYouTuberの話で盛り上がった息子。子どもって、どこに行っても友だちを作ることができるだなぁとあらためて実感。

息子は一人っ子。ふだんは兄弟がいないことで不満を言ったりはしないが、やはり遊び相手がいないときには寂しそうにしている。なので私のミッションは息子に友だちと遊ぶ機会をできるだけ作ってあげることだと思っている。今回、このイベントに参加すれば、息子に博多っ子の友だちを作ってあげられるかもと期待していたが、その通りになった。

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広大な八幡製鉄所の跡地につくられた北九州イノベーションギャラリー、いのちのたび博物館の見学は、どちらも面白かった。イノベーションギャラリーでは、鉄と自動車がどのように生産されるか、製鉄の町として栄えた北九州市の発展の歴史とともに紹介するシアター見学が印象的だった(映像はちと古いが)。鉄鉱石の運搬シーンや溶鉱炉で赤く溶け出した鉄の様子を感慨深げに見て「マイクラやな〜」とつぶやいていた息子。レジンを使ったキーホルダー作りも、完成したときは達成感いっぱいの顔をしていた。いのちのたび博物館は、展示のひとつひとつがダイナミックで、午後だけでは回りきれないほど充実の内容でだった。またゆっくり行きたい。

あっというまの2日間のスプリングスクール参加だった。

もともとは民間のアフタースクールである TECH PARK。これが京都にもあったなら、息子に通わせたい、そう心から思った。

子どもの「遊びたい気持ち」に寄り添い、あくまで「生活の場」であることにこだわってつくられた設備や考え抜かれたプログラム。そしてスタッフの方たちの前向きで愛情のこもった対応。たった二日間だったけれど、良質な施設であることをひしひしと感じた。

今回、私たちを受け入れてくれた佐々木久美子さんと彼女が率いるグルーヴノーツのスタッフの皆さんは、それぞれに自分の「得意」を仕事で生かしながらイキイキと働いておられた。

テクノロジー企業といってもたくさんの業種、たくさんの分野があるが、「テクノロジーの魅力を子どもたちに伝える」ことを、事業のひとつにする企業はなかなかない。

まだ小規模だし、福岡のみの単独の施設だが、いつかグルーヴノーツの手がけるアフタースクールが全国各地に出来て、たくさんのTECH PARK 出身の子たちが社会で活躍する日がきたらいいな、なんて思った今回の滞在だった。

最後に、急なお願いにもかかわらず、私たちの参加を受け入れてくださった TECH PARK スタッフの皆さんに心よりお礼申し上げます。

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(写真左でバンザイしてるのがグルーヴノーツ会長の佐々木久美子さん、右でブラインドを開けてるのが社長の最首英裕さん、お世話になりました!)

8才の息子とテクノロジーにふれる旅に出る

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明日から3泊、福岡へ息子と旅に出る。

思い立ったのが先週なので、電撃旅行計画だ。

目的は、福岡にある TECH PARK KIDS(テックパークキッズ)という民間のアフタースクール(学童保育施設)が開催するスプリングスクールに参加すること。

テックパークキッズは、子どもたちにテクノロジーの楽しさを経験させることを理念に掲げたユニークな学童だ。

はてな時代に知り合って以来、親しくお付き合いしている友人のみーさんこと佐々木久美子さんが会長の株式会社グルーヴノーツが運営していて、昨年オープンしたてのフレッシュな施設だ。ビジネスマンで賑わう天神地区のオフィス街にある(らしい)。

みーさんは、テクノロジーベンチャーの創業者らしい自由な発想と実行力の持ち主で、現在の会社をいちから立ち上げ、成長させてきた行動の人である。

その言動を目の当たりにするたび、過去に一人で人力検索の仕組みを思い立ち、数々のウェブサービスを思い付いてはサービス化し、「変な会社」の礎を築いたかつての夫と重なる(みーさん、褒めてます)。あぁ、こういう人が起業家なんだなあと実感すると共に、創業時の大変さを懐かしく思う。

話はそれたが、会うたびにみーさんは「テクノロジーを社会の問題解決に生かしたい」「子どもたちにテクノロジーの魅力にたくさんふれさせたい」と熱く語っている。その思いを形にしたのが、テックパークキッズだ。

www.techpark.jp

www.techpark.jp

ちなみに一般人のためのTECH PARK MAKERS(テックパークメイカーズ)と併設されていて、3Dプリンタなどを用いた「ものづくり」のワークショップなどもよく開催されているそうだ。こちらも面白そう。

www.techpark.jp

この春、小学3年になる息子は、ゲームが死ぬほど好きで、去年の春に買ったマインクラフトは今でも毎日のように建築に励んでおり、他にもスプラトゥーンマリオメーカー太鼓の達人など、YouTubeから新しい遊び方やTipsを仕入れては試し、試してはまた情報を追いかけるの繰り返しで、のめり込んでいる。

放っておくと一日中ゲームとスマホに向かい続けるので、頃合いを見計らっては家の外に放牧して、公園や京都御苑や鴨川で遊ばせていて、おかげで外遊びも大好きだ。しかし、やはり自分の得意はゲームと自負しており、ゲーム愛が尋常ではない。

そんな息子とふたり、せっかくの春休みなので旅にでも出ようかと考えたが、ありきたりな旅行では満足してくれないことは自明なので、ならば彼が家では味わえないテック体験ができて、私にとっても尊敬する友人に会えるTECH PARK KIDSへの旅に出よう、ということになったのだった。受け入れてくださる現地の方々に感謝。

息子がスプリングスクールに参加する間、私は、スタッフの方に許可をもらって見学させてもらったり、博多観光に出ることを考えている。

息子とうまく距離を取りながら、彼の新しい体験を見守り、その他の時間はふたりで博多の公園めぐりをしたいと思っている。昔、親戚が住んでいたという大濠公園あたりも、そろそろ桜が咲いているんじゃないかなあ。期待。

そんなわけで、明日から行ってきます。

(写真はTECH PARK KIDSのサイトからお借りしています)