8才の息子とテクノロジーにふれる旅に出る

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明日から3泊、福岡へ息子と旅に出る。

思い立ったのが先週なので、電撃旅行計画だ。

目的は、福岡にある TECH PARK KIDS(テックパークキッズ)という民間のアフタースクール(学童保育施設)が開催するスプリングスクールに参加すること。

テックパークキッズは、子どもたちにテクノロジーの楽しさを経験させることを理念に掲げたユニークな学童だ。

はてな時代に知り合って以来、親しくお付き合いしている友人のみーさんこと佐々木久美子さんが会長の株式会社グルーヴノーツが運営していて、昨年オープンしたてのフレッシュな施設だ。ビジネスマンで賑わう天神地区のオフィス街にある(らしい)。

みーさんは、テクノロジーベンチャーの創業者らしい自由な発想と実行力の持ち主で、現在の会社をいちから立ち上げ、成長させてきた行動の人である。

その言動を目の当たりにするたび、過去に一人で人力検索の仕組みを思い立ち、数々のウェブサービスを思い付いてはサービス化し、「変な会社」の礎を築いたかつての夫と重なる(みーさん、褒めてます)。あぁ、こういう人が起業家なんだなあと実感すると共に、創業時の大変さを懐かしく思う。

話はそれたが、会うたびにみーさんは「テクノロジーを社会の問題解決に生かしたい」「子どもたちにテクノロジーの魅力にたくさんふれさせたい」と熱く語っている。その思いを形にしたのが、テックパークキッズだ。

www.techpark.jp

www.techpark.jp

ちなみに一般人のためのTECH PARK MAKERS(テックパークメイカーズ)と併設されていて、3Dプリンタなどを用いた「ものづくり」のワークショップなどもよく開催されているそうだ。こちらも面白そう。

www.techpark.jp

この春、小学3年になる息子は、ゲームが死ぬほど好きで、去年の春に買ったマインクラフトは今でも毎日のように建築に励んでおり、他にもスプラトゥーンマリオメーカー太鼓の達人など、YouTubeから新しい遊び方やTipsを仕入れては試し、試してはまた情報を追いかけるの繰り返しで、のめり込んでいる。

放っておくと一日中ゲームとスマホに向かい続けるので、頃合いを見計らっては家の外に放牧して、公園や京都御苑や鴨川で遊ばせていて、おかげで外遊びも大好きだ。しかし、やはり自分の得意はゲームと自負しており、ゲーム愛が尋常ではない。

そんな息子とふたり、せっかくの春休みなので旅にでも出ようかと考えたが、ありきたりな旅行では満足してくれないことは自明なので、ならば彼が家では味わえないテック体験ができて、私にとっても尊敬する友人に会えるTECH PARK KIDSへの旅に出よう、ということになったのだった。受け入れてくださる現地の方々に感謝。

息子がスプリングスクールに参加する間、私は、スタッフの方に許可をもらって見学させてもらったり、博多観光に出ることを考えている。

息子とうまく距離を取りながら、彼の新しい体験を見守り、その他の時間はふたりで博多の公園めぐりをしたいと思っている。昔、親戚が住んでいたという大濠公園あたりも、そろそろ桜が咲いているんじゃないかなあ。期待。

そんなわけで、明日から行ってきます。

(写真はTECH PARK KIDSのサイトからお借りしています)

りんごが無くなり冬が終わった

 

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締めくくりはPPAPだった。

大学の送別会で20人分の料理を作り、ウケをねらってりんごとパイナップルと棒状のクッキーをチーズケーキの上にあしらったPPAPケーキと称するデザートを作ったのだった。

大学の研究者のことだからピコ太郎を知らない人もいるに違いない、と踏んだら案の定当たって、

PPAP?なにそれ?IAAP(国際分析心理学会の略)なら知ってる」

「ええっ、PPAP知らないんですか?」

といった会話があちこちで聞こえ、ほくそ笑んだ。おかたいアカデミックのパーティで私ができるささやかな演出だ。

前置きがながくなったが、やっと、やっと我が家からりんごが無くなった!

この秋冬は、宅配の定期注文を思いきりミスって毎週のようにりんごが届き、りんごに追われまくった日々だった。

火曜日ごとにりんごが箱で到来し、夢にりんごが出てきそうな勢いだった。一時は iPhone のりんごマークが目に入っただけで憂鬱になるほど、りんご消費へのプレッシャーにさいなまれた。

一個たりともりんごを腐らせぬため、様々なお菓子にした。

役立ったのは、ドイツ料理専門家の門倉タニアさんの本やりんご専門のレシピ本。質実剛健なドイツの素朴なお菓子にはりんごが多用されていて、参考になった。

 

何度でも食べたくなる、わが家のレシピ ドイツの焼き菓子

何度でも食べたくなる、わが家のレシピ ドイツの焼き菓子

 

 

りんごのお菓子 (エイムック 2712 ei cooking)

りんごのお菓子 (エイムック 2712 ei cooking)

 

 

あと、ここには写真がないけどサラダだけでなく豚肉料理にもりんごを活用した。美味しいのはポットロースト。厚手の鍋で豚かたまり肉を焼き、りんごと玉ねぎなどの香味野菜を加えて白ワインかブランデーをふり入れて塩胡椒とローリエと共に蓋をして弱火で1時間ほど煮込む。いかにも冬の西洋田舎料理だ。

それから息子がインフルエンザになったときは、すりおろしりんごが大活躍だった。

以前に元夫の家に滞在していたとき、お腹をこわした息子に(元夫の現在の)奥さんがすりおろしりんごを食べさせてくれたらしく「あのすりおろしりんごがいいー」と病床の息子からねだられ、以来、うちでも体調の悪いときはすりおろしりんごが活躍するようになった。

ほかにもれんこんの塩いためやポテトフライなど、あちらの手料理をこちらでねだられて、そのままうちの味になる現象が多発している。また逆もあるようで、母の味と義母の味が混在する息子の「食歴」はずいぶんと多様で複雑なものになりそうだ。

家で食べる以外にも、たくさんの人にりんごのお菓子を作って贈った。りんごが嫌いな人や食べられない人はまずいない。低コストだけど喜ばれるお持たせになった。

消費するのに大変だったが、旬の果物をたくさん工夫して食べたことは、季節と共に暮らす人間の原点に近付けたようで結果的に良かった。

最後に、誰でも作れる煮りんごの作り方をご紹介。

りんごを好みの大きさにカットする。ふだん食べる大きさのまま煮たら、そのままデザートに出来るし、小さいくし形にすればヨーグルトのお供やケーキの材料になる。鍋にりんごを入れ、好みの量の砂糖をふり入れる。あっさりが良いならりんご一個に対して大さじ2〜3杯ぐらい。あればブランデーやラム酒、レモン汁などをふりかけてザッと混ぜて中火にかけ、水分が出てきたら弱火でコトコト、りんごがクタッと半透明になる程度まで煮る。

冷蔵庫で冷やしていただくと美味しい。1週間は持つ。砂糖が多ければもっと保存出来る。

そういえば、息子が初めて口にした固形物もりんごだった。夢中でかじって、そのあと盛大に軟便が出た(失礼)。

以下、成果の一部をアッピール!主にりんごスイーツ写真だよ。

 

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消えたプリント

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ヤマちゃんは息子の同級生で、うちのマンションから徒歩2分の町家に住んでいる。

息子はしっかりもののヤマちゃんが好きで、しょっちゅううちに連れてきて2人でマインクラフトをやっている。

月曜日、「ヤマちゃん、インフルになったんやって。金曜日までお休み」と言って帰ってきた。

そして今日の夕方、ヤマちゃんのお母さんからうちに電話がかかってきた。

「あっ、ヤマちゃんのお母さん!ヤマちゃん、大丈夫ですか?」

「もうすっかり元気になってます〜。ところで…」

「はいはいどうされましたか?」

「B先生(担任)が、うちの子のプリントや学校からの手紙をトキくんに届けてもらうよう渡してくれたと言うてはるんですが、持ってはりますか?」

ダイニングで宿題をしていた息子に聞いたら、「ん〜、届けた」とナマ返事をする。しかしヤマちゃんちは受け取ってないという。

さらに詳しく聞いたら、「ん〜、ポストに入れた」と言う。

ヤマちゃんちによると、郵便受けには入ってないという。

さらに問いつめたら、「ん〜、あの、学校から帰る途中にある、赤いのに入れた」という。ええっ!!

「えっと、郵便ポストに入れたってこと?あの、道に立ってる赤いポスト?」

「うん…」

「な、なんでやの?」

「ん〜、だってB先生が、『ポストに入れてくれたらええよ』ってゆうたし…」

受話器の向こうからは、ヤマちゃんのお母さんがむせび笑う声が聞こえてくる。

「すいません…担任の先生にはこちらから伝えます!」

「いえいえ、うちの方から言っときますわ〜。手紙ゆうてもたいしたもんはないと思いますし」

互いに笑いをこらえながら、電話を切った。

学校からのお便りを郵便ポストへ…。

たしかに家の軒先にあるのは「郵便受け」であって、「ポスト」ではない。

その後、学校に電話をかけて担任の先生に謝ったところ、「いえいえ、私の伝え方が悪かったんです。インフルエンザに感染したらあかんと思って『手渡しにせんとポストに入れてね』とお願いしたんですけど、たしかにポストゆうたら誤解しはりますね…」と、詫びられた。

肝心の手紙は封筒に小学校名が入っているので、おそらく戻してもらえるだろう、とのことだった。郵便局にはこちらから連絡します、と言ったが、先生が手配してくれるという。申し訳ない…。

当の息子は、思わぬ展開にポカンとし、少し涙ぐんでしまったが、「トッキーは悪くないよ。先生の言うとおりにポストに入れたもんね」という私の言葉にホッとし、宿題に戻った。

私はといえば、こちらの常識を超えた息子の行動にあっけにとられつつも、しばらく笑いが止まらなかった。

もうすっかり大人顔負けの言動でエラそうにふるまうけど、社会性はぜんぜん身についてないんだなあ。

だからこそ、大人は丁寧に、子どもに物事を教えていかなきゃならない。

思わぬ出来事で子どもの無垢なところにふれた夕暮れ時だった。

いや、ヤマちゃんには申し訳ないんだけど…。あ、担任の先生にも郵便局の人にも…すみませんでした。

写真は、昼間に焼いたポークソテー。出町柳商店街の肉屋さんで買った豚ロース、臭みがなくて美味しい。